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NATO創設70年、米欧の結束で脅威に対処を


 冷戦初期から西欧安全保障の礎となってきた北大西洋条約機構(NATO)は4日で創設70年の節目を迎えた。

 ワシントンで開催された外相理事会では、対ロシア政策など直面する課題について協議し、結束して対応していくことを改めて確認した。

 年内に30カ国体制に

 NATOのストルテンベルグ事務総長は米上下両院の合同議会で演説し、中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄するとした米国の立場を支持するとともにロシアを非難。ウクライナ南部クリミア半島の併合などを挙げて「ロシアは民主主義を妨害している」と強調した。

 NATOは、加盟国の集団防衛を目的として1949年に北米および欧州の12カ国で設立された。現在は計29カ国が加盟。年内にはバルカン半島にある北マケドニアが加盟し、30カ国体制になる。

 ただ、米国第一を掲げるトランプ米大統領の登場で米欧間の亀裂が深刻化している。トランプ氏は当初、集団的自衛権の行使を確約しなかった上、国防支出負担の不均衡が「不公平だ」として他加盟国の批判を展開。ストルテンベルグ氏が「NATOは欧州だけでなく米国にも有益だ」と述べたのは、トランプ氏に結束を促す狙いだろう。

 一方、ペンス米副大統領は講演で、国防費の国内総生産(GDP)比2%以上を目指すNATOの共通目標に達していないドイツを名指しで批判した。ドイツは2018年に1・23%と前年から横ばいで、期限の24年までの目標達成は困難視されている。ドイツは欧州最大の経済大国であり、こうした批判には耳を傾ける必要がある。

 マクロン仏大統領が昨年11月に「欧州は米国だけに頼らず自衛する必要がある」として米国抜きの「欧州軍」構想を表明するなど、欧州には米国依存脱却を目指す動きもある。しかし、欧州だけでロシアの脅威に対処するのは難しいだろう。

 冷戦時代とは違い、米欧は別々の脅威に直面しているため、ロシアへの姿勢も各国で違う。利害調整が難しくなっていることは確かだが、欧州防衛は米国の国益にもつながるはずだ。米欧は結束して抑止効果を高めなければならない。

 ペンス氏は、ロシア製の最新鋭地対空ミサイルシステムS400導入を決めたトルコに対しても「NATO加盟国であり続けたいかどうか選択しなければならない」と警告した。トルコは防衛システム導入に向けた対米交渉が不調に終わった結果、S400導入を決めたとしているが、ロシアには加盟国間の連携にくさびを打ち込む狙いもあろう。

 NATOではこのほか、ロシアや中国によるサイバー攻撃など新たな脅威への対応も急務となっている。

 中国もにらんだ変革を

 中国はシルクロード経済圏構想「一帯一路」を通じて欧州に対する影響力を強めようとしている。先月には先進7カ国(G7)では初めて、イタリアが一帯一路の推進に協力する覚書を中国と締結した。NATOには、中国もにらんだ変革が求められている。