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対英制裁実施を延期 漁業権対立でフランス


フランスのマクロン大統

 フランスのマクロン大統領は1日、欧州連合(EU)離脱後の英国がフランスの漁船に対して漁業権を付与することを拒否している問題での対立が続く中、警告していた英国に対する報復措置を延期すると述べた。両国間の話し合いが続く限り、制裁は行わないと表明した。ジョンソン英首相はフランスが制裁に踏み切れば、英国側も相応の対抗措置を取るとして緊張が続いていた。

 ブレグジットの貿易協定の下では、EUと英国は、お互いの海域で何年間、漁船が操業しているかの実績によって、漁業権を与えることで合意している。ところがフランスの小型船には操業記録を残す設備はなく、記録は残されていない。そのため、英国とフランスの隣接する英領ジャージー島は、フランスの漁船の申請を拒否し、英国海域でのフランスの漁船の操業を禁じ、フランス側の漁師は怒りを爆発させている。

 フランス側は英国の漁船が通常、フランスの港に陸揚げしている漁獲物を拒否し、英国の漁船の漁獲物に対して、EU域外からの輸入扱いとして検査を厳重に行う動きもちらつかせていた。そうなると英国からの漁獲物の流通が滞り、英国、フランス双方の漁業関係者に深刻な被害が及ぶことも懸念されている。英国は「フランス次第」といい、フランス側は「英国の決断次第」と応酬し、対立はエスカレートする様相を呈していた。

パリ安倍雅信