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パリ郊外で中学教師が首切られ殺害


授業でムハンマド風刺画

 仏パリ郊外で16日、中学校の男性教師が学校近くで首を切断され殺害された。表現の自由を教える目的で、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を授業中に生徒に見せたことへの報復とみられている。

16日、パリ近郊の中学校前で、教師殺害事件について取材に応じるマクロン仏大統領(AFP時事)

16日、パリ近郊の中学校前で、教師殺害事件について取材に応じるマクロン仏大統領(AFP時事)

 捜査当局によれば容疑者は、モスクワ生まれの18歳のチェチェン人。テロ対策局の監視リストにはない人物だった。

 現場を訪れたマクロン大統領は「イスラム過激派のテロ攻撃」との見解を示した。警察当局は、教師の頭部の写真をツイッターに投稿した後に凍結されたアカウントを捜査中と発表。容疑者の両親や祖父母、イスラム教を侮辱する学校に通学させないようSNS上で呼び掛けた人物ら9人が逮捕された。

 捜査関係者によると、学校付近に不審人物がいるとの通報を受け出動した警察が遺体を発見、付近で容疑者の男を発見したが抵抗したため、警察官が発砲し、その後死亡が確認された。捜査関係者によると、容疑者の男は警察官に対して、「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫んだという。

 2015年1月、ムハンマドの風刺画を掲載した風刺週刊紙シャルリエブド襲撃事件が発生、今年9月には、パキスタン人の若者が包丁で2人を殺害するという事件が起きたばかり。現在、シャルリエブド事件の公判中で、マクロン氏は「宗教への冒涜(ぼうとく)は、表現の自由の原則では許される」との見解を示している。また、最近、政府がイスラム指導者イマームをフランスの法に従うよう教育する方針を打ち出したばかりだった。

(パリ 安倍雅信)