フィンランド 異常気象で若者が不安症に


地球温暖化にどう取り組む

 異常気象が北欧にも明らかに感じられるようになった。夏は暑い日が続き、特に2018年はその期間が長く、草が枯れ、家畜の飼料不足、山火事、海域の水竜巻など、前例のない異常現象が起きた。

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昨年5月24日、地球温暖化対策を求めるパリの学生たち(UPI)

 スウェーデンでは、全土50カ所で「建国史上最悪」といわれる山火事が発生し、グレタ・トゥーンベリさんの環境運動の契機となった。

 昨年は、欧州が熱波に包まれる渦中にフィンランド北部で6月下旬に雪が降り、しかし、翌日から気温が25度に上がるなど、著しい温度差を示した。

 また、北欧の海域に、人には有害物質ともなる青緑色の藻類(シアノバクテリア)が発生し、海水浴を控えるよう警報が出るなど、涼しい夏に慣れた北欧の人々は困惑している。フィンランドの若者たちの中には、異常気象を心配し不安を覚えるあまり、動悸がおこるなどの「環境不安」症と言われる不安症の症状が起きているほどだ。

 フィンランド気象研究所によれば、気温上昇に伴い、北欧の雪が積もる期間が短くなるなどの現象がますます多くなるという。特に、夏以上に冬の気候の変化が大きくなり、世界の温室効果ガスの排出量によってはさらなる影響があると警告している。

 北欧各国の政府は、温暖化問題に深刻に取り組む姿勢を見せており、フィンランド政府は世界でも最短期間の2035年までに二酸化炭素の発生と吸収を等しくする「カーボン・ニュートラル」を目指すと宣言した。

 ノルウェーは排出枠を他国と取引する「カーボン・クレジット」の購入に依存して30年までにカーボン・ニュートラルを目指すが、フィンランドは同クレジットなしの高い目標だ。

 また北欧各国は、電気自動車購入のための財政支援の提供、バイオ燃料およびフレキシブル燃料車両への転換の促進、ガソリンへの増税、航空券への環境税導入など、温暖化対策に力を入れている。北欧社会では温暖化問題を真剣に考える風潮になっている。

(ヘルシンキ・吉住哲男)