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中国の外交攻勢、自由諸国は台湾を支えよ


 太平洋の島国ソロモン諸島政府が、台湾と断交し、中国と国交を樹立することを決めた。これで、台湾が外交関係を結ぶ国は16カ国に減ることになる。

 中国には外交攻勢によって台湾の国際的な影響力を弱める狙いがあろう。台湾と民主主義の価値観を共有する日米などの自由諸国は、台湾を支えていく必要がある。

ソロモンが台湾と断交

 「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文政権が2016年5月に発足して以降、中国の外交攻勢を受けて台湾との外交関係を断った国は、ソロモンで6カ国目となる。

 ソロモンは1983年から台湾と外交関係があったが、ソガバレ首相は今年4月の就任後に「国益に基づく対外関係の全面見直し」を表明。首相が設置した諮問委員会が、中国との外交関係を正常化し、「一つの中国」原則に従って台湾と断交するよう勧告していた。中国による資金援助などをにらみ、台湾からの乗り換えを決めた格好だ。

 ソロモンは南太平洋の戦略的要衝に位置する。中国が影響力を強めることで、日米などが提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想が打撃を受けないか懸念される。

 台湾では来年1月に総統選を控える。中国には、台湾と外交関係を持つ国を切り崩すことで、再選を目指す蔡氏に打撃を与える狙いもあろう。ただ、これに関しては逆効果だとの見方も出ている。

 昨年末まで、蔡氏の再選は絶望的だとみられていた。与党民進党は昨年11月の統一地方選で惨敗を喫し、蔡氏は党主席を引責辞任した。

 ところが今年に入って、中国の習近平国家主席が、香港などに適用する「一国二制度」での台湾統一に向け、武力行使も排除しない強硬姿勢を示したことに対し、蔡氏は「われわれは一国二制度を絶対に受け入れない」と強調。これが支持率上昇のきっかけとなった。

 さらに再選への追い風となったのは、最近の香港情勢だ。香港で拘束した容疑者の中国移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案に抗議する最初の大規模デモが6月に香港で行われた後、蔡氏は「この件をきっかけに、一国二制度が実行不可能だという事実が台湾人の胸に深く刻まれた」と訴えた。台湾住民の間で中国に対する警戒感が強まるのは当然だ。

 最新の世論調査では、蔡氏の支持率が、最大野党・国民党の総統候補で「一つの中国」原則に関する「92年合意」に対する支持を明言する韓国瑜・高雄市長を上回っている。台湾社会の安定に向け、蔡氏の再任を求める世論が高まったことによるものだろう。

日米台は地域の安定図れ

 トランプ米政権は8月、台湾へのF16戦闘機の売却を承認した。米国による台湾への戦闘機売却は92年以来27年ぶりのことだ。これも台湾に対する軍事的圧力を強める中国を牽制(けんせい)する狙いがある。

 日本は現在、中国との間で関係改善が進んでいるが、台湾有事は日本有事でもある。日米台が連携して地域の安定維持を図るべきだ。