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「インド太平洋戦略」対「一帯一路」


韓国紙セゲイルボ

米中関係悪化は南北対話に影響

 中国と米国が尖鋭に対立し暗雲が晴れない。中米間の貿易戦争をはじめ、南シナ海、台湾などをめぐる対立が戦争を呼ぶのか、相互緩衝として働くのかの岐路に立っている。

トランプ大統領(右端)と習近平国家主席(左端)

2018年12月1日、ブエノスアイレスで会談に臨んだ米国のトランプ大統領(右端)と中国の習近平国家主席(左端)(AFP時事)

 “浮上する国家”と“既存の覇権国家”間の対立が、韓半島に直接的な影響を及ぼしかねない。中国と米国の文明の衝突の可能性すら予想させられる。

 中国は「一帯一路」を通して周辺国と「調和がとれた位階秩序」を作ろうとする国家戦略を推進中だ。一方、米国は「インド太平洋戦略」で価値同盟を尊重しながら「民主主義国際秩序」を確立しようとしている。

 このような二つの強大国の国家戦略が対立する時、中国と米国は「ツキディデスの罠」に陥って、戦争が不可避になるかもしれない。あるいは中国が公共財生産の側面で十分な実力もなく、むしろ脆弱(ぜいじゃく)で「キンドルバーガーの罠」に陥ることもあり得る。

 キンドルバーガーの罠は1930年代、米国が不十分な国力と覚悟のまま英国から世界覇権を譲り受けたことにより生じた現象だ。むしろ米国は“モンロー主義”で孤立を自ら招いた。結果的にグローバルシステムが崩壊して、不況、大虐殺、さらに世界大戦を招いた。果たして浮上する中国にグローバル公共財提供の役割を任せられるのか。

 太平洋とインド洋で西進する米国を避けるように、中国は西方(新シルクロード経済ベルト)と南側(21世紀海洋シルクロード)に進んでいる。中国も一帯一路を通じて、陸・海上シルクロード上の諸国に対する公共財再生産に集中しなければならない。

 しかし、社会間接資本に対する投資は回収が20~30年以上遅れるため、参加決定が容易ではない。中国が周辺国との関係で位階的秩序をたてようとする意図で投資しようとするなら、周辺国は反発し、むしろ逆効果を招く。

 世界秩序を安定的に形成して維持する責任ある強大国の不在で世界は混乱に陥る。中国が現在の国際秩序から、恩恵だけを享受して“無賃乗車”することになれば、地球的公共財は再生産されずに枯渇していくだろう。

 中国と米国は相互“利害関係者”として相手国を配慮して共生する方法を探さなければならない。地球的災難を招くかもしれない罠を避けなければならないのだ。既存の覇権国家(米国)が浮上する国家(中国)を過度に恐れれば、激変の衝突が発生しかねない。

 米国が民主主義と安保の価値を優先させて国際秩序を拡大再生産することに埋没するなら、“特色ある社会主義”を堅持する中国の反撃が避けられなくなることもあり得る。中国と米国が互いに無視したまま、関係悪化の一途に駆け上がることになれば、南北対話の道もはるかに遠くなる。

(安仁海(アンイネ)高麗大国際大学院教授、5月17日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。