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中国の南シナ海の軍事拠点化を阻止せよ


 ケリー米国務長官はワシントンでの中国の王毅外相との会談で、中国による南シナ海の軍事拠点化を「南シナ海を通過する全ての人々の大きな懸念となっている」と批判した。一方、王外相は「南シナ海の島々は歴史的に中国領であり、中国は領土保全と合法で正当な海洋の権利・利益を維持する権利がある」と従来の主張を繰り返した。

 中国の主張は国際法に基づかない独善的なものだ。米国など関係国は中国の軍事拠点化を阻止しなければならない。

 ミサイルや戦闘機を配備

 これに先立ち、米太平洋軍のハリス司令官は上院軍事委員会(マケイン委員長)の公聴会で、中国について「南シナ海を軍事拠点化していることは明白だ」と指摘するとともに「東アジアで覇権を追求している」と批判した。マケイン委員長は中国へのさらなる圧力強化を求めるなど、オバマ政権の及び腰の対中政策に不満が噴出した公聴会でもあった。

 ハリス司令官は、南シナ海で人工島を造成した中国が複数の滑走路の建設や、西沙(英語名パラセル)諸島のウッディー(中国名・永興)島への地対地・地対空ミサイルの配置、南沙(スプラトリー)諸島のクアテロン(華陽)礁へのレーダー設置など、軍事拠点化を進めていると警鐘を鳴らした。こうした中国の行動は、既に緊張が高まっていた南シナ海情勢を一層不安定にさせる。

 中国は既に本土と西沙諸島にあるレーダー施設で南シナ海の北半分を監視下に置いている。クアテロン礁などの人工島でレーダー施設が稼働すれば、南部の監視能力を著しく高めることになる。

 また、ウッディー島のミサイルは中国の防空システム「HQ9」とみられ、射程は約200㌔㍍。ウッディー島は中国・海南島から350㌔㍍に位置し、殲11戦闘機などの航空戦力も配備された。中国が目指す南シナ海での防空識別圏の設置につながる。

 オバマ大統領は昨年9月、ホワイトハウスで中国の習近平国家主席と南シナ海問題で直談判し、最終的に「軍事化の意図はない」との発言を引き出した。だが、中国の一連の行動はこの約束に背くものだ。海上交通路(シーレーン)の安全が脅かされかねず、到底許されない。

 ハリス司令官は、中国の人工島などの周辺に軍艦を送り込む「航行の自由作戦」について「一段と複雑な内容にしながら、もっと行っていく」と述べ、強化していく方針を改めて明らかにした。オバマ政権は、中国の軍事拠点化を阻止するために対策を強めるべきだ。

 日本は圧力強化策示せ

 中国の動きを踏まえ、日本は沖縄県石垣市の尖閣諸島が位置する東シナ海にも同じような動きが拡大することを想定する必要がある。東シナ海では中国が昨年7月、ガス田施設を増設していることが明らかになっており、その軍事拠点化が懸念されている。

 日本は中国情報の共有を進めるなど、米国をはじめとする国際社会と引き続き緊密に連携して圧力強化策を意思表示しなければならない。