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日台「2プラス2」 安全保障分野の連携強化を


 自民党の佐藤正久外交部会長と大塚拓国防部会長が、台湾の与党・民進党の立法委員(国会議員に相当)と初の「外交・防衛政策意見交流会」をオンライン形式で行った。

 日本と台湾とは正式な国交がない。政策を調整するルートの確立に向けて「外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)」の与党版と位置付けられる議員外交の場を持つことは、日台連携の強化に資すると言える。

 新たな意思疎通のルート

 台湾からは民進党の国際事務部トップの羅致政立法委員と安全保障に精通する蔡適応立法委員が出席。佐藤氏は「政府間対話がしづらい環境下で、与党間の政策対話は極めて意義が大きい」と述べた。

 羅氏は日台が共通の利益と価値観、ビジョンを有していると指摘した。蔡氏は会見で、日本側が日米台での海上警備について合同訓練をすべきだとの認識を示したと紹介。今回の対話は日台間の絆を象徴していると述べるとともに、新たな意思疎通のルートが切り開かれることに期待を寄せた。

 自民党内ではこれまで、青年局が台湾との交流窓口となってきた。一方、2月に外交部会の下に「台湾政策検討プロジェクトチーム」を発足させ、日台関係について議論を重ねている。

 自民党の保守系有志議員でつくる「保守団結の会」は3月、台湾との関係強化を目的とした「日台交流基本法」制定を訴える決議を採択。決議は中国共産党政権の脅威に言及し、地政学的要衝である台湾を守るべきだと指摘。台湾との連携や交流を深化させることは重大な意義を持つとの見解が示された。

 7月刊行の防衛白書は「台湾情勢の安定は、わが国の安全保障はもとより国際社会の安定にとって重要」との見解を初めて明記。中台間で「軍事的緊張が高まる可能性」があるとして「一層緊張感を持って注視していく必要がある」と危機感をあらわにした。

 近年、中国の急速な軍拡で中台の軍事バランスが中国側に大きく傾いている。中国の習近平国家主席は、台湾の統一実現に向けた強い意欲を表明してきた。7月初めに開かれた中国共産党創立100年の記念式典では「台湾問題の解決と祖国の完全統一実現は党の歴史的任務だ」と演説した。

 中国による台湾侵攻への抑止力を損なうことがあってはならない。台湾有事が起きれば日本有事につながりかねない。日本は民主主義の価値観を共有する台湾との関係を強化し、中国を牽制(けんせい)する必要がある。日台与党間の「2プラス2」は、これに相応(ふさわ)しい対処だ。

 日本版の台湾関係法を

 米国は1979年、中国との国交を樹立し、台湾の中華民国政府との同盟関係を解消した。しかし台湾関係法の制定によって、米台間の既存の条約の効力維持、駐米台湾外交官への外交特権の保全、台湾防衛に寄与し続けることを約束した。残念ながら、日台間にはこのような法律がない。

 米国は台湾を国家と同様に扱い、兵器なども供与してきた。日本版の台湾関係法制定が必要である。