上昇気流

【上昇気流】(2022年9月21日)

かつての刑事ドラマは「警察対犯人」という図式だった。それが近ごろは、警察内部が描かれることが多くなった。警察も人間社会には違いないから、対立や相克は当然ある。警察組織は面白いから描く価値があるのだろう。

【上昇気流】(2022年9月20日)

明治の文豪・夏目漱石は、ロンドン留学中にビクトリア女王の死に遭遇した。1901年1月23日の「日記」に「昨夜六時半女皇死去ス」とある。外国人の漱石も、弔意を表するため黒のネクタイを着けた。

【上昇気流】(2022年9月19日)

ロシアのウクライナ侵攻の影響で、欧州ではエネルギーや食料自給対策が必須となって原発回帰が顕著なもようだ。日本も原発の再稼働を急ぐ方針だが、一方の食料自給問題は、なかなか一筋縄でいかないようだ。

【上昇気流】(2022年9月18日)

夕方、歩き疲れて公園のベンチで休んでいると何かの気配を感じた。手を見ると、薄暗い中、黒い点がある。目を近づけると蚊だった。

【上昇気流】(2022年9月17日)

日本の近代科学の出発点は江戸時代後期の1774年――。そんなお話を東京工業大学名誉教授の道家達将氏からお聞きしたことがある。

【上昇気流】(2022年9月16日)

読書の秋である。最近の古書価の暴落は、本好きの人にとっては歓迎すべきことだ。しかし安価な分、ついつい買ってしまって、気流子のようにいわゆる「つんどく」状態となる本も少なくないだろう。

【上昇気流】(2022年9月15日)

韓国とはどのような国なのか。調べ始めたのはソウルオリンピックの数年前のことで、その後たびたびこの国を取材で訪れてきた。そして一冊の歴史書が歴史を見る目を開かせてくれた。

【上昇気流】(2022年9月14日)

ロシア軍が占拠し軍事拠点化しているウクライナ南部のザポロジエ原発。今回査察した国際原子力機関(IAEA)は、外部電源喪失の可能性や疲労の極みにある現場の技術者らの健康状態に言及し「壊滅的事態が起きかねない」と警告した。

【上昇気流】(2022年9月13日)

大相撲の力士のまわしの色がカラフルになり、今やそれが当たり前になっているが、昔はほとんどが黒だった。「黄金の左」で鳴らした横綱輪島が鈍い金色のまわしを締めだしたりした頃から一気に多彩になった記憶がある。

【上昇気流】(2022年9月11日)

「名月や畳の上に松の影」(其角)。夕焼け前のやや青みを帯びた空に丸い月が白く見えた。昨日は中秋の名月だったが、気流子が見たのは満月になる直前。爆音が聞こえたので見上げると、ヘリコプターが月の上を飛んでいたのである。

【上昇気流】(2022年9月10日)

朝夕は涼しくなったとはいえ、夏とも秋ともつかない日々の中で、きょう中秋の名月を迎える。陰暦8月15日の満月のことだが、それが9月上旬だと秋のイメージが湧きづらい。

【上昇気流】(2022年9月9日)

昭和58(1983)年だから今から40年ほど前になるが、小紙で記者クラブについて掘り下げる「記者クラブ その機能と功罪」という連載記事を掲載した。その取材で出会ったのが、毎日新聞OBで警視庁担当キャップなどを務めた“伝説的事件記者”佐々木武惟さん(故人)だ。

【上昇気流】(2022年9月8日)

今年は7月前に猛暑となり、一時は梅雨明けが宣言されたほどだった。関東地方の梅雨入りは6月6日で平年並みだったが、梅雨明けは速報値で6月27日と発表された。その後、確定値では7月23日となった。

【上昇気流】(2022年9月7日)

没後30年にちなんで『文豪ナビ 松本清張』(新潮文庫)と題する本が刊行された。中では森村誠一氏の書いたものが面白い。

【上昇気流】(2022年9月6日)

高校2年の2学期最初の現代国語の授業で、先生が黒板に「秋刀魚」と大書した。その後何を語ったかは忘れたが、秋の到来を喜んでいたことだけは覚えている。

【上昇気流】(2022年9月5日)

潜水艇を使って日本周辺の深海調査を行っている名古屋大学などのグループが、房総半島の南東から続く小笠原海溝で、日本人としては初めて水深9801㍍の深海に到達した。快挙だ。

【上昇気流】(2022年9月4日)

そろそろ秋の気配を感じる季節となった。虫の声もセミが少なくなり、夕方からは秋の虫、コオロギなどの声が聞こえてくる。日中はいまだに暑いことが多いが、朝夕は涼しくなっている。

【上昇気流】(2022年9月3日)

「とんとん とんからりと隣組」――。これをメロディーで口ずさめる方はなかなかの年配者だろう。もう少し若い世代であれば「ド・ド・ドリフの大爆笑」はどうだろう。前者は昭和初期の戦時歌謡「隣組」、後者はコント集団「ザ・ドリフターズ」のテレビ番組オープニングソング。原曲は隣組だ。

【上昇気流】(2022年9月2日)

ソ連最後の最高指導者で東西冷戦を終結に導いたミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領が亡くなった。ロシアのウクライナ侵攻に対して、自身が創設した「ゴルバチョフ財団」が「人命に勝る価値はない」として、和平交渉を求めていた。その死は、民主派の衰退を象徴するようにもみえる。

【上昇気流】(2022年9月1日)

福島県猪苗代町に中ノ沢温泉がある。安達太良山の西側のふもとで標高740㍍の高原地帯。西の山々は裏磐梯で、二つの山の間を国道115号が南北に走り、猪苗代町と福島市を結んでいる。

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