上昇気流

【上昇気流】ロンドンの漱石と焼き栗

取材で訪ねた長野県軽井沢。ススキの穂が風に揺れ秋の到来を告げていた。旧近衛文麿(このえふみまろ)別荘へ通じる林の中の小道には栗の実が落ちていた。ぱっくりと開いたイガの中に文字通り栗色の実が覗(のぞ)いている。

【上昇気流】サイトウ良さんの遺作展

版画家サイトウ良さんの遺作展が東京・銀座のギャラリーGK(中央区銀座6の7の16)で開催中だ。サイトウさんは第2回ストックホルム国際版画展(1995年)で金賞を受賞し、その作品は欧米でも高く評価されてきた。

【上昇気流】五穀豊穣「黄金の国」

「黄金の国ジパング」とは、マルコ・ポーロの『東方見聞録』にある日本のことだ。黄金とは文字通り、金銀の黄金を指すそうだが、それがなくても「黄金の国」を実感できる。それが今。稲穂がたわわに実った田園風景に、である。

【上昇気流】韓国の日本歌謡曲ブーム

韓国で今、空前の日本歌謡曲ブームが起きている。これまではアニメソングなどが主だったが、現在人気を集めているのは松田聖子さんや中森明菜さんらの1980年代の歌謡曲という。

【上昇気流】どうするカスハラ対策

顧客による迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に対し、来店拒否などの対策を公表する小売り、サービス関連企業が増えている。デパートの高島屋は「悪質な場合は警察や弁護士に連絡する」とした。

【上昇気流】幸せを数えたら

幸せを数えたら、片手にさえ余る。不幸せ数えたら、両手でも足りない~/年配の方ならなじみのある歌だろう、ばんばひろふみさんのヒット曲「SACHIKO」の一節だ。薄幸とおぼしき女性を慰め元気づけるメロディーは懐かしい。

【上昇気流】選ばれる基準はさまざま

新紙幣では文学者の肖像が選ばれなかった。これまで紙幣の肖像となった文学者は夏目漱石と樋口一葉。NHK大河ドラマ「光る君へ」の紫式部の肖像も使われたことがあるが、印象は薄い。

【上昇気流】虫の音を愛でる日本文化

残暑が続くが、日が落ちて暗くなると、緑地や道路脇の植え込みから虫たちの賑(にぎ)やかにすだく声が聴こえる。やはり秋だなと思う。何という虫の音なのか聴き分けることができないのが残念。

【上昇気流】パンタナルは消滅するのか

毎年のように「過去最悪」が繰り返されているのが、ブラジルの森林火災だ。世界最大の湿原、同国中西部のパンタナルで今年発生した森林火災は過去最悪に達したという。

【上昇気流】路線バスの「小さな旅」

図書館に行こうと久しぶりに休日の路線バスに乗った。いつもは通勤に使っているから景色は変わらない。ところが、お客さんの顔が全く違っている。そこが妙に新鮮だった。

【上昇気流】狐の嫁入り

夕方近く家を出ると、西日が差す中、大粒の雨が降り出した。こんな日は「狐(きつね)の嫁入り」があるという話を思い出した。この伝承には、怪しい火が連なるのと天気雨の2タイプがある。

【上昇気流】特攻隊員の「豁達さ」

今夏手にした本の一つが『生命(いのち)の谺(こだま)-川端康成と「特攻」』(多胡吉郎著)。作家の川端康成が昭和20年4月24日から1カ月、海軍報道班員として鹿児島県鹿屋の特攻出撃基地に滞在したが、その時の様子をノンフィクション作家が描写した。

【上昇気流】中国的強権の内と外

最近、中国の動きがおかしい。南シナ海での周辺諸国との衝突、沖縄県・尖閣諸島への領海侵犯などその覇権的行動は今に始まったことではないが、わが国への領空侵犯はじめ一段とその威嚇の度を増している。

【上昇気流】「編集は権力です」

40年も昔の話。ある会で文芸批評家が「編集は権力です……」と言ったのを聞いて「エッ!?」と思った。隣にいた仲間に「あんなことを言っているけど、あなたもそう思う?」と尋ねると「当たり前」との答え。

【上昇気流】コメ離れに拍車?

スーパーなどでコメの品薄状態が続いている。近くのスーパー2店舗を昼すぎに覗(のぞ)いてみたが、どちらもコメの棚は空っぽ。これで我慢してとばかり、代わりにパックご飯や餅が並んでいた。

【上昇気流】ツユクサとオオボウシバナ

「露草も露のちからの花ひらく」(飯田龍太)。「露草」は初秋の季語で、青い花のすがすがしさがこの季節を表している。庭にこの草があって、6月初めに開花し、今も咲き続けている。花の時期は長い。

【上昇気流】台風に思う「咸一其徳」

「吹く風は時計と逆回りだから、木の揺れる方角を見て台風の位置を知りなさい。台風の目に入ると、風が止(や)み青空が見えたりするが、安心して外に出てはいけません」――。台風が来るたびに小学校の先生の言葉が蘇(よみがえ)る。

【上昇気流】山の寺復興プロジェクト

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県七尾市の復興を応援する「七尾港まつり in Tokyo」が、東京・芝の増上寺で開かれた。台風10号の影響で時折雨が降る生憎(あいにく)の天気だったが、本堂前で盆踊りが行われ、展示ブースが設けられた。

【上昇気流】地球環境の「極端現象」

「最高気温が35度以上の日(猛暑日)や1時間降水量が50㍉以上の強い雨など」を気象の「極端現象」と呼ぶ(気象庁)。東京など大都市周辺もこの現象による被害を免れ難くなってきた。

【上昇気流】切支丹弾圧の総元締め

東京・茗荷谷駅から近い閑静な住宅街の一角に、切支丹(キリシタン)屋敷跡と呼ばれる碑がある。江戸時代初期に宗門改役の井上筑後守政重の下屋敷内にあった、いわゆる転びバテレンの収容所跡だ。井上はいわば幕府におけるキリシタン弾圧の総元締めだった。

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