文化の最新記事

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黄葉進むブナ林回廊 カラフルな乳頭高原/秋田県仙北市

妙(たえ)乃湯や鶴の湯など有名な温泉がひしめく乳頭(にゅうとう)温泉郷は10月下旬、紅葉の季節を迎えた。自然が残された一帯は乳頭高原と呼ばれ、ブナ林の回廊は圧巻だ。

小津安二郎と野田高梧が“合宿” 名作生んだ蓼科の山荘

「晩春」「東京物語」など家族をテーマにした小津安二郎の映画の脚本は、野田高梧(のだこうご)ないし野田と小津の合作による。昭和29年、小津は長野県蓼科(たてしな)高原にある野田の山荘「雲呼荘(うんこそう)」を訪れ、蓼科の自然、人情がすっかり気に入る。小津は脚本執筆の場をここに移し、山荘に“合宿”して、遺作「秋刀魚の味」までの晩年の6作品の脚本を書き上げた。

謎が多い伝説の鳥 八咫烏

神武天皇東征の際、熊野から大和の橿原(かしはら)まで先導したという八咫烏(やたがらす)。古事記や日本書紀に登場し、神話の中の烏として謎に包まれている。ゆかりの地、栃木県那須烏山市を訪れた。

口語詩への試みから始まる 『一冊で読む日本の現代詩』

日本の詩の流れは、俳句や短歌や漢詩から来るものと明治初期の西洋文学からの影響に日本の詩の流れは、俳句や短歌や漢詩から来るものと明治初期の西洋文学からの影響によって生まれた口語詩への試みから始まっている。

古墳時代の姿生き生きと 東京国立博物館で特別展「はにわ」

東京・上野の東京国立博物館で、特別展「はにわ」が開かれている。今展では埴輪(はにわ)「挂甲(けいこう)の武人」が埴輪では初めて国宝に指定されてから50年を記念し、国内外に散らばる「挂甲の武人」5体が勢ぞろいした。その他、王や王に仕える人々、家や動物など古墳時代の姿を生き生きと伝える埴輪、約120点を一堂に展示する。

高尾山のムササビ/東京都八王子市

「むささびや大きくなりし夜の山」(三橋敏雄) 高尾山は年間登山者数が260万人と、世界で最も訪れる人の多い山だそうだ。多様な動植物が生息し、よく保護されてもいる。

松島と並ぶ渓谷美の「厳美渓」/岩手県一関市

仙台藩主の伊達政宗公が「松島と厳美が、わが領地の二大景勝地なり」と自慢し何度も訪れたと伝わる岩手県一関市の厳美渓(げんびけい)。名物の「空飛ぶだんご」も一目見ようと10月中旬訪れた。

【フランス美術事情】米評価の仏画家作品が仏国宝に

そもそも美術において人間を描く場合、女性には美が求められ、男性には力強さや権威が求められてきた。特に美に注目することの多い芸術の世界では、たとえばフランス革命を描いたドラクロワの「民衆を導く自由の女神」のように革命を扇動するのは女神である女性だった。

農道のわきで大黒舞も 鎌鼬の里芸術祭で舞踏/秋田県羽後町田代

秋田県出身の舞踏家・土方(ひじかた)巽(たつみ)。秋田県羽後町田代(たしろ)地区は、土方の写真集『鎌鼬(かまいたち)』が撮影されたことで、突如として有名になった。

参勤交代の道で思い馳せる 中山義秀の名作「碑」の舞台/福島県長沼町

「山間の小さな城下町に、初秋の風のおとづれを聞くやうになつた」

巫女象った土偶「仮面の女神」 国宝指定10年で特別展-茅野市尖石縄文考古館

長野県茅野市(ちのし)の尖石(とがりいし)縄文考古館は、尖石遺跡をはじめ八ヶ岳山麓の縄文遺跡の出土品を収蔵・展示する考古館。展示品の目玉は、「縄文のビーナス」「仮面の女神」の愛称を持つ2体の国宝土偶で、「仮面の女神」の国宝指定10年を記念し特別展が開かれている。

「福祉は金沢から始まった!―陽風園と善隣館―」金沢

金沢市の金沢ふるさと偉人館では、金沢を代表する福祉施設をテーマに、企画展「福祉は金沢(ここ)から始まった!―陽風園(ようふうえん)と善隣館(ぜんりんかん)―」が開かれ、近代日本の社会福祉事業に尽力した金沢の偉人たちの足跡を紹介している。

大岡昇平の歴史紀行「檜原」 感銘を受け 旅の随筆に記す

福島県の石筵(いしむしろ)ふれあい牧場の先から中ノ沢温泉まで、母成(ぼなり)グリーンラインが通っている。このルートは安達太良山の南西の山中を走り、磐梯熱海温泉から吾妻スカイライン方面に行くドライブコースの一つになっている。

五穀豊穣、家内安全を祈願 200年以上続く赤田の大仏祭り

「南無十一面観世音菩薩」や「春日大明神」など、のぼり旗がたなびき、地域の伝統芸能が奉納される「赤田(あかた)の大仏祭り」が秋田県由利本荘市で8月24日と25日行われ、大勢の人で賑(にぎ)わった。赤田町内会が主催し、五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全を祈願する200年以上続く行事。

「非日常の美しさ」テーマに 江口敬氏写真展「二つの部屋」/福島市

「日常の隣にある非日常の美しさ」をテーマに、福島市在住の写真家・江口敬氏の写真展「二つの部屋」が、福島市写真美術館で開催、16日にはギャラリートークが行われた。

【フランス美術事情】シュルレアリスムの20年越しの展覧会

フランスで最後に大規模なシュルレアリスムの展覧会があったのは2002年だった。今年9月4日に久々の「シュルレアリスム。100周年記念展」(25年1月13日まで)が、パリのポンピドゥーセンターで開催されている。

渡来文化の面影伝える「お熊甲祭」

国指定重要無形民俗文化財で、能登半島の秋を代表する「お熊甲(くまかぶと)祭」が、21日、七尾市中島町で盛大に繰り広げられる。同町に鎮座する久麻加(くまか)夫都阿良加志比古(ぶとあらかしひこ)神社の祭礼で、渡来文化の影響を色濃く伝える祭りとして今に伝わっている。毎年9月20日に行われているが、今年は能登半島地震の影響などで、21日に開催される。

日本三大防塁の一つ阿津賀志山防塁

福島県国見町。宮城県との県境にある福島県最北のこの町には源義経と弁慶の伝説や、奥州合戦の戦場となった阿津(あつ)賀志山防塁(かしやまぼうるい)など源氏ゆかりの史跡が残る。

未踏のK2西壁で命を絶つ 名クライマーたちの遭難

アルパインクライマーで山岳写真家の平出和也さんと中島健郎さんが、パキスタン北部のカラコルム山脈にあるK2(8611㍍)で西側の未登壁を登攀(とうはん)中、7月27日に滑落(かつらく)し、帰らぬ人となった。多くの人たちから敬愛されて、惜しまれる。

「妖精と魔法展」/福島県金山町妖精美術館

マジカルな妖精世界へようこそー福島県奥会津・金山町の妖精美術館で、妖精や魔法にまつわる美術作品約80点を展示して「妖精と魔法展」が開かれている。

室生犀星と堀辰雄 大震災で深まった交流

大正12(1923)年の関東大震災から明日で101年。大震災は日本社会を大きく変えたが、文学界に与えた影響も大きいものがあった。東京・日本橋生まれの江戸っ子、谷崎潤一郎は震災後、関西に移住する。大阪・船場の姉妹を描いた『細雪』などの代表作も、関西移住なくしては生まれなかっただろう。

赤井谷地ー福島県会津若松市

猪苗代湖の西側にある赤井谷地は国指定天然記念物になっている。が、訪れる人はほとんどいない。谷地とは湿地という意味で、関東地方や東北地方で多くみられる地名

平安時代の「払田柵跡」を歩くー秋田県大仙市

東北地方には平安時代、約20カ所の城柵(じょうさく)が建設された。角材や築地塀(ついじべい)で囲まれた、軍事施設も兼ねた国の役所である

【フランス美術事情】ルーヴル美術館「オリンピスム、現代の発明、古代の遺産」展

パリ五輪が閉会し、パラリンピックを待つ時期だが、五輪自体は100年ぶりにパリで開催されている。その前は1900年に第2回五輪がパリで開催されている。今回、ルーヴル美術館では「オリンピスム、現代の発明、古代の遺産」展(9月16日まで)を開催中だ

商船7千隻、数十万人が戦没 「戦没した船と海員の資料館」を訪ねる

300万人の犠牲者を出した先の大戦では、本土と戦地の間の海上輸送を担った輸送船団も大きな犠牲を出した。神戸市の元町駅からほど近く海岸道路に面した全日本海員組合の「戦没した船と海員の資料館」では、これらの歴史を記録し、犠牲となった会員を顕彰している。

山寺を訪ねて考える―山形県山形市 芭蕉が詠んだセミは何ゼミか 

セミの歌声に情緒を感じる季節が巡ってきた。夏。こんな時、ふと口をついて出てくる名句がある。「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」だ。その舞台となった松尾芭蕉が「おくのほそ道」で立ち寄った山形県山形市の山寺を改めて訪ねてみた。

ジョブズを魅了した風景画 木版画家、川瀬巴水展/山形美術館

「旅情詩人」と呼ばれ、日本全国の風景を描いた木版画家、川瀬巴水(はすい)の作品を集めた企画展が山形県の山形美術館で開かれている。

現代アートを牽引する存在 馬場彬―まつろわぬ画家―展 60点を展示

わが国現代アートの先駆者の一人、馬場彬(あきら)の作品展が秋田県仙北市角館町の平福(ひらふく)記念美術館で開かれている。角館町は新潮社創業者・佐藤義亮(よしすけ)の出生地で、縁あって未発表作を含む多数の馬場作品が2023年春に同美術館に寄贈された。その中から「まつろわぬ画家」の副題で約60点を展観している。

常に「文明の先導者」を自認 E・R・クゥルツィウス著『フランス文化論』を読む

パリ・オリンピックが開幕し、世界の目が開催国フランスに注がれている。テレビでもパリやフランス文化に関わる番組が多く放映されている。フランス文化の特質・魅力を考えることが多くなるが、そんな中、E・R・クゥルツィウス著『フランス文化論』(大野俊一訳、1977年みずず書房刊)を読んで、なるほどと合点することが多かった。

近代数寄の精神を示す茶席群 白雲洞茶苑/神奈川県箱根町

神奈川県箱根町にある強羅(ごうら)公園は、早雲山の麓の広大な斜面を生かしてつくられたフランス式庭園。左右対称の庭園で、中央に噴水池があり、あずまや風の音楽堂もある。茶廊やクラフトハウスも洋風で、モダンで洗練された公園だ。

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