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日本近代文学 名作発見の旅の最新記事

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明治青年の人生哀切にー田山花袋『田舎教師』

田山花袋(たやまかたい)の代表作の一つ『田舎教師』の冒頭である。文学趣味を持ち向学心にも富みながら、結核を患い田舎の代用教員として短い生を終えた青年が主人公。日露戦争の時代を背景に関東平野の自然や風物を丹念に描きながら、主人公(林清三)の哀切な人生を浮かび上がらせている

年始客避け旅に出た漱石ー夏目漱石『草枕』

研究者によれば、漱石が五高(現熊本大学)の英語教師に赴任していたのは、明治29(1896)年4月から33年4月。そして、熊本からこの小説の舞台となる小天(おあま)温泉(玉名市天水町)に旅行に行ったのが、明治30年の12月末だった

昭和初期の雪国文化綴るー川端康成『雪国』

川端康成(1899~1972年)の小説『雪国』は、モデルとなった新潟の温泉地がある。東京から約1時間で行ける湯沢町だ。都内から日帰りで行けるスキー場として冬のシーズンは特ににぎわう。JR東京駅で上越新幹線「とき」に乗りしばらくすると、群馬と新潟の県境にまたがる三国(みくに)山脈のトンネルに入る

無垢な魂を持ち続けた歌人ー大佛次郎 『源実朝』

源実朝は鎌倉幕府を開いた父・源頼朝の次男で、母は頼朝の妻・北条政子。12歳で征夷大将軍に就き、成長するにしたがって政治に関与したが、右大臣に任ぜられた翌年、兄・頼家の子、公暁により鶴岡八幡宮で暗殺された。傑出した歌人でもあった

「無縁坂の女」に寄せる愛惜-森鷗外『雁』

古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だということを記憶している。どうして年をはっきり覚えているかというと、その頃僕は東京大学の鉄門の真向かいにあった、上条という下宿屋に、この話の主人公と壁一つ隔てた隣同士になって住んでいたからである

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