宗教

今年は浄土宗開宗850年

法然による浄土宗開宗850年の節目の年にあたる今年、特別展「法然と極楽浄土」が、4月16日から6月9日まで東京、10月8日から12月1日まで京都、来年の10月7日から11月30日まで九州の各国立博物館で開かれる。阿弥陀如来と二十五菩薩(にじゅうごぼさつ)が往生(おうじょう)者を迎えようと、山頂ごしに飛雲に乗って降下するさまを描いた鎌倉時代の国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図(らいごうず)(早来迎)」は修理後初公開となる。

近代真宗の宣布者・暁烏 敏

北陸が今も「真宗王国」と呼ばれるのは1471年、比叡山延暦寺の迫害により京を逃れた蓮如(れんにょ)が、越前吉崎(現在の福井県あわら市)に拠点となる吉崎御坊(よしざきごぼう)を構えたことに始まる。当地で蓮如は「御文(おふみ)」と呼ばれる仮名書きの法語や「南無阿弥陀仏」の六字名号により、教義を分かりやすく人々に伝え、信者を増やしていった。

土俗的ヒンズー教の神々も包含 大乗仏教の最終ランナーである密教

2500年の仏教史を俯瞰(ふかん)すると面白いことに気付く。それは、一つの歴史の流れの最後に、全体を総合するような教えが出てくることだ。仏教が生まれたインドで言えば、大乗仏教の最終ランナーである密教は、土俗的なヒンズー教の神々も包含した神仏習合的な教えになっている。それが中央アジアを経由して中国に根付き、日本にもたらされた。

国家鎮護のため創建された東寺 空海生誕1250年、親鸞生誕850年

京都駅の近くにある真言宗総本山教王護国寺(東寺、京都市南区)は平安京遷都まもなく国家鎮護のため創建された官立寺院で、桓武天皇を継いだ嵯峨天皇により弘仁14(823)年、弘法大師・空海に託された。

生誕100年の司馬遼太郎と陳舜臣

今年は司馬遼太郎の生誕100年で、大阪外国語大学(現在の大阪大学外国語学部)で1年下だった陳舜臣は来年が生誕100年になる。司馬は蒙古語学科、陳は印度語学科を卒業。2人は学生時代からの親友で、司馬の『街道をゆく』の「台湾紀行」は台湾が第2の故郷の陳の勧めで実現し、陳は司馬を案内、当時の李登輝総統にも会うことができた。

別子銅山を訪ねて 愛媛県新居浜市

住友グループのホームページを開くと「別子銅山は、現在の工都新居浜と住友グループを生み出した母なる銅山」との言葉が記されている。別子(べっし)銅山は愛媛県新居浜市にあった銅山で、総産銅量は日本第2位の約70万㌧。元禄4(1691)年の開坑から1973年の閉山まで283年間、一貫して住友家が経営し、住友化学や住友機械、住友林業など幾つもの関連事業を誕生させた。

四国霊場86番札所 志度寺 香川県さぬき市

5月14日、四国霊場第86番札所「志度寺」で3年ぶりに大柴燈護摩供(だいさいとうごまく)が行われた。護摩壇の周りには結界が張られ、女性2人を含む山伏10人が法螺(ほら)貝を鳴らしながら入場して始まった

弘法大師・空海の生誕1250年 「大師」号を奏請 再興図った観賢

弘法大師空海の生誕1250年の今年、生誕地とされる香川県善通寺市の総本山善通寺などで記念行事が行われている。空海は真言密教の宗祖として知られるが、教えが今に伝わるのは「大師(だいし)信仰」によるところが大きい。その大師号下賜に尽力したのが空海と同じ讃岐生まれの僧観賢(かんげん)で、地元の小学校で郷土の偉人として学習に取り入れ、成果を挙げている。

「親鸞―生涯と名宝」 生誕850年特別展 京都国立博物館

浄土真宗を開いた親鸞(1173~1262年)の生誕850年に当たる本年、浄土真宗各派寺院が所蔵する法宝物を一堂に集め、ゆかりの地、京都・東山の京都国立博物館で3月25日から5月21日まで親鸞展が開かれている。国宝11件、重要文化財75件を含む過去最大の出陳件数で、中でも親鸞の主著『顕浄土真実教行証文類』(『教行信証』)は、坂東本・西本願寺本・高田本が初めて同時展示され話題になっている。

【心をつむぐ】宗教を超える親心に感謝

宗教2世のことが取り沙汰されているが、今日の寺院や神社の後継ぎ問題も、別の面での2世問題だ。筆者の知り合いに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信仰を持ちながら、実家の寺院や神社の後を継いでいる人がいる。

約4万4千社の八幡宮の総本社 宇佐神宮

大分県宇佐市にある宇佐神宮は全国に約4万4千社ある八幡宮の総本社で、通称は宇佐八幡。古代から伊勢神宮と共に朝廷に崇敬されていた。宇佐神宮が祀(まつ)る八幡神は、新羅(しらぎ)から宇佐に渡来した氏族の神が、地元の大神(おおが)氏、辛嶋(からしま)氏、宇佐氏の氏神と合わさって成立したとされる。

京都府笠置町を歩く 山岳信仰の聖地・笠置山

京都府最南端の笠置(かさぎ)町、奈良市に接する標高300㍍未満の笠置山は全山が広葉樹に覆われ、麓には木津川が流れている。春は桜、秋は紅葉が人気の行楽地だが、古来からは山岳信仰の聖地で、山頂近くにある巨大な弥勒菩薩(みろくぼさつ)の磨崖仏(まがいぶつ)が本尊の笠置寺(かさぎでら)がある。

四国八十八ヵ所めぐり コロナ禍 減少から回復へ

コロナ禍で減少していた四国八十八カ所めぐりのお遍路さんが、少しずつ回復している。江戸時代に盛んになった庶民の四国遍路を支えてきたのが、沿道住民による「お接待」。お遍路さんに飲食物や金銭、宿を提供し、不幸にして行き倒れになると、遺体を供養し、連れの子供などを出身地に送り返したりしている。そのお接待はどのようにして始まったのだろう。

神仏習合の山 歴史刻む 岡山県児島の由加神社本宮

岡山県倉敷市児島にある厄よけ総本山・由加(ゆが)神社本宮には江戸時代、「ゆが・こんぴら両参り」で香川県琴平町の金刀比羅宮(ことひらぐう)と共に賑わった歴史がある。瀬戸内海を望む由加山は、古代から巨岩を崇拝する磐座(いわくら)信仰が盛んで、天平5(733)年に行基が十一面観音を祀(まつ)ったことから、瑜伽(ゆが)(由加)大権現と呼ばれる神仏習合の山となった。瑜伽はヨーガのことで仏教の修行の一つ、釈迦(しゃか)が悟りを得た瞑想(めいそう)である。

日本宗教の多様性を生む神仏習合

日本宗教の特徴は神道と仏教の混交、補完、協力の神仏習合にある。そのありようは時代や社寺によって異なり、それが日本宗教の多様性を生んでいるといえよう。聖徳太子が構想した仏教立国の象徴・東大寺における神仏習合の行事が同寺境内にある手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)の例大祭「転害会(てがいえ)」で、10月5日、東大寺の僧を迎え行われた。

流域に数多く立つ高地蔵 徳島県吉野川

異常気象のせいで線状降水帯によるゲリラ豪雨に襲われ、各地で洪水被害が発生するようになった。

【心をつむぐ】自由意志と愛、信仰、結婚

人生で最も大切なものは何かといえば、愛であると多くの人は答える。その基盤となるのが自由意志だ。今、世界平和家庭連合(旧統一教会)に対する報道の中で、彼らの信仰や合同結婚式を、マインドコントロールや洗脳の結果とするものがある。

猫神さん お松大権現を訪ねる

トラはネコ科なので、寅(とら)年にちなみ猫の神社に初詣しようと1月に訪れたのが、徳島県阿南市加茂町にある神社・お松大権現(阿瀬川寛司社主)。単立の宗教法人お松権現社が設けた神社で、親しみを込め「猫神さん」と呼ばれている。

梅原猛の『海人(あま)と天皇』

梅原猛の『海人(あま)と天皇』(朝日文庫)は副題に「日本とは何か」とあるように、日本という国の成り立ちを、その根本思想から問い直したもの。

わが国最古の官大寺(国立寺院)

去る4月23日から6月19日まで、奈良国立博物館で「大安寺のすべて 天平のみほとけと祈り」展が開かれた。飛鳥時代から奈良時代は日本という国の青年期で、中国・朝鮮から入ってくる仏教や学問を旺盛に学び、吸収していた。その象徴が奈良市にある大安寺(河野良文貫主)で、わが国最古の官大寺(国立寺院)だ。

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