買い占めなどで供給不足に

彩 最近、スーパーマーケットで米の品薄状態が続いているね。いったい何が起こっているの?
父 全国的に米が入手困難になっていることから「令和の米騒動」と呼ばれているね。昨年の猛暑と大雨被害などで収穫量が減少したことや、インバウンド(訪日外国人観光客)による米需要の急激な増加などが主な理由だとされている。
実際に農林水産省が発表した6月末時点の米の民間在庫量を見ると、例年より約40万㌧ほど少なくなっていて、価格も例年より1~2割ほど値上げされているんだ。
ただ、同省は「需要との比較でみると、在庫量は決して少ないわけではない」と分析しているよ。
彩 それじゃあなぜ、品薄になっているの?
父 供給不足とは別に、8月8日に発表された「南海トラフ地震臨時情報」が影響しているとされている。地震災害に備えて米を必要以上に購入し、備蓄する人が急増したと考えられているんだ。
さらにそれらの情報をニュースやSNSなどで知り、不安になった人が買い占めなどを行うことで品薄に拍車が掛かってしまったんだね。
彩 在庫はあるのに、需要の急増と買い占めなどが原因で品薄になる、まさに米騒動のような動きになっていたんだね。解決する方法はないのかな?
父 まずは消費者が過度に買いだめせず、必要な分だけ購入することを意識することが大切だ。農水省は、9月下旬以降に新米が出回ることで品薄状態は順次解消されてくると予想しているよ。
彩 不安になる気持ちを抑えて、正しい情報を基に冷静に判断する必要があるね。フリマサイトなどでは、値段をかなりつり上げて米を転売する悪質な人たちも出てきているから、注意も必要だね。
父 不用意なパニックを引き起こさないためにも、SNSでの発信や拡散にも気を付ける必要があるね。