しなる継竹、豪快な男気
東北を代表する夏の風物詩「秋田の竿燈」と言えば、約一万個の提灯が稲穂のように夜空にきらめく光景が有名だが、腰や額に乗せる美しさを競う竿燈妙技大会(昼竿燈)は今年76回を迎え、チーム力と個人の技に大勢の観光客が拍手を送った。
8月4日から6日まで、秋田市千秋公園近くの広場で開かれた大会。5日は暑い陽ざしのもと、差し手が肩や平手など五つの技を次々と披露し、囃子方はバチさばきと笛の音色を競った。
妙技大会はオリンピック競技と似ていて採点方式。長さ12㍍、重さ50㌔㌘の大若では、予選で一チームずつ団体規定・自由演技、個人演技、囃子方がそれぞれ採点され、勝ち残った16チームがトーナメント方式で勝ち進み、優勝、準優勝、第三位を決める。
大若の団体戦には延べ約150チーム、個人の部には約50人が参加。また長さ7㍍の小若の部は約60チームが別会場で演技した。竿燈の技は5種類あり、一チーム5人でそれぞれ30秒ずつ笛の合図で次の差し手につないでいく。各チームは6月頃から週3回ほどの練習を重ねてきた。
一方、大若の個人戦は四つの技を各種目20秒ずつ一人で行うもので、技術、体力、精神力が要求される。過去10年間で二度優勝した者は一人もいないという過酷な戦いだ。
6日の最終日。団体規定では柳町Aチームが10年ぶり、7度目の優勝を飾った。個人の部では登町の安藤努さんが見事優勝を果たし、竿燈名人の栄光に輝いた。(ペンとカメラ・伊藤志郎)