桜満開の高尾山で心をリフレッシュ【サンデー世界日報より】

春爛漫の南高尾7峰を歩く

山には疲れた心を癒す自然治癒力がある。コロナ明け頃から近場の低山を楽しむ人が増えている。

私は還暦手前に精密検査で経過観察の診断を受けたことがきっかけで山を始めた。人間はいつまでも健康でいられるわけではない。行けるうちに山に行っておこう。以来、月2回ペースで神奈川の丹沢山系を中心に近郊の中低山に登っている。

季節が変われば、山は違った表情を見せる。山系ごとに骨格、山容、植生が異なり、一つとして同じ山はない。低山、花の山を中心に中高年からの山歩きの楽しさを伝えていきたい。

まず初回は年間300万人の登山客が訪れる八王子市の高尾山(599㍍)。アクセスの良さ、植生の豊かさ、天狗伝説がある霊山の魅力などから、近年は外国人登山客が多い。

高尾山口駅からは六つの自然路がある。私が好きな道は高尾山の南側を周回する南高尾周回コースである。登山客が多い桜や新緑、紅葉の時期は静かな山を楽しめる。

約17キロの周回コースには七つの峰(草戸山、榎窪山、泰光寺山、入沢山、中沢山、金毘羅山、大洞

山)がある。町田市の最高峰・草戸山(364㍍)を始め、500㍍前後の超低山である。

最近は〝セブンサミッツ〟という上手いネーミングが効いたのか、地元の人に加え、若い登山者が増えた。

4月初旬、桜満開の高尾山稜はタチツボスミレ、エイザンスミレ、ヒトリシズカなど、多種の山野草が花開く。

4月11日は5月並みの暖かさ。城山湖や津久井湖を眼下にウグイスの声を聴きながら、桜舞う長閑な山歩きは実に心地よい。

高尾山は10回以上来ているはずだが、桜の時期は初めて。緩いアップダウンを繰り返しながら進む周回コースは、上り累積標高差が1000㍍を超す。体力的には中級コースと言っていい。途中にフクロウや龍のオブジェ、休憩スポットが多く、高齢者でも歩きやすい。

フクロウのオブジェがある泰光寺山を過ぎると西山峠である。そこを少し下った沢沿いにニリンソウが群生している。

花の見頃には少し早いが、沢山の人で賑わっていた。数年前までは知る人ぞ知る群生地も、ニリンソウ登山ツアーが組まれる程の場所となり、正直驚いた。

西山峠からは左手に津久井湖を見ながら、四つの峰を通過し、大垂水峠に下りる。大垂水峠の陸橋を渡り、一丁平に繋がる学習の道はモミジイチゴの群生地である。ちょうど白い花が満開だった。花が終わる初夏、キイチゴがなる頃にもう一度この道を歩きたくなった。

西山峠の龍のベンチでひと休み
西山峠の龍のベンチでひと休み

一丁平辺りは高尾からの登山者と、陣馬・小仏城山方面から高尾に向かう登山者が行き交う桜道が続く。城山への長い階段を20分上ると山頂手前で水仙、ほうき桃、山吹、桜、レンギョウなど、春爛漫の城山花壇が出迎えてくれた。長い距離を頑張って登ってきた甲斐がある。

連休が始まる4月末頃、南高尾はミツバツツジ、ヤマツツジが一斉に咲き揃うツツジ街道となる。

若葉が伸びゆく、新緑が美しいこの時期、山は最も生命力に満ちている。(ペンとカメラ・大石 翠)

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