
小学校の社会の教科書歴史授業で、自虐史観に依拠し、史実とは異なる内容が教えられていることが現場教師らの証言で明らかになっている。この問題に警鐘を鳴らすシンポジウムがこのほど、東京都内で開かれ、登壇者らは是正を求めた。(文と写真・豊田 剛)
開催されたのは、「こんなにおかしい!小学校歴史教科書シンポジウム」。自虐史観の脱却を掲げ中学校の歴史・公民教科書を制作している「新しい歴史教科書をつくる会」(高池勝彦会長)が主催し、地方議員や教師ら約100人が参加した。
小学校の社会科教科書は、東京書籍が50%以上のシェアを占めており、教育出版、日本文教出版が続く。つくる会顧問の茂木弘道氏は、小学校の社会科教科書には、日本を貶(おとし)める幾つもの嘘(うそ)が書かれていると指摘。一例として、日中戦争(支那事変)については、日本が侵略戦争をしたと書かれているが、「日本は不法に中国に侵略して戦争を仕掛けたのではない」と述べた。
「児童に対する精神的自虐だ。幼少期に日本人であることの自信と誇りを摘み取られ、健全な発達が阻害されている。これでは日本の明日はない」
より強い危機感で話したのは、つくる会理事の松木國俊氏。「マルクス史観によって教育がゆがめられている。『愚劣な国家』というトーンで反省・懺悔(ざんげ)を強いることが書いてある」と述べ、「歴史を学ぶには一次資料に当たること」と参加した教師らに呼び掛けた。
つくる会副会長で日本文化大学教授の松浦明博氏は、解釈が分かれる問題については「両論を書いて子供たちに判断させるようにするべきだ」と訴えた。

小学校教科書の問題は、昨年出版された『親が知らない 小学校歴史教科書の穴』(ハート出版)で茂木、松木、松浦の3氏が共著で記している。その中で、日本の歴史学会は長年、左翼学者によって牛耳られており、「中韓従属史観・コミンテルン史観・東京裁判史観の三つの観点に基づいて教科書が編集・執筆されているため、日本史の叙述は甚だ歪んだものとなっている」と主張している。
シンポジウムでは、千葉県公立小学校元校長の渡邊尚久氏と同県公立小学校教諭の土屋京子氏が教育現場の実態を伝えた。
「現行の教科書には本当の日本人のルーツが書かれていない。どこの国でも自分の国の成り立ちを教えられているのに、日本だけ教えられていない」
渡邊氏は、「建国記念の日」の2月11日については、もともとは紀元節として祝われていたことを指摘。日本書紀の「建国の詔(みことのり)」を書いたとされる初代・神武天皇の名前が教科書に出てこないのだ。「神話・伝承は6年生の社会科で古事記、日本書紀、風土記などの中から適切なものを取り上げる」ことを明記する学習指導要領が守られていないことを問題視した。
その上で、「自我形成期で最初から否定的な内容を入れると後でひっくり返すのが大変になる。勉強ができる子であればあるほど自虐史観で固まる」との持論を展開した。
土屋氏は、同僚教師から「日本、郷土までも嫌いになっていく」「愛国心を掲げるとアレルギー反応が返ってくる」と相談を受けていると話した。授業実践例として、「愛国心を持って世界貢献できる児童を育てていきたい」という思いから、道徳の授業では絵本を使って先祖や命をつなぐことの大事さを伝えていると説明した。
シンポジウムに参加した女性地方議員は、「正しい歴史観を持たないと政治家としても矜持(きょうじ)が持てなくなり、政策がぶれてしまう。子供の教育の段階から対策しないといけない」と危機感を募らせた。






