トップ社会安倍元首相暗殺事件から4年 国葬反対に抗う必要を痛感

安倍元首相暗殺事件から4年 国葬反対に抗う必要を痛感

外国に誤解与える懸念
「国葬を支持するデモ行進」を実施した佐藤和夫氏が講演

 銃弾に倒れた安倍晋三元首相の命日の前日となる7日、元自衛官で「英霊の名誉を守り顕彰する会」の佐藤和夫会長は、東京都内で講演会を開いた。佐藤氏は「もし現在も健在であったならば各地の紛争も起こらなかっただろう。イラン戦争もトランプ氏に回避するよう、忠告することもできたのではないか」と述べ、外交感覚に優れた安倍氏の不在を惜しんだ。

安倍晋三元首相の命日を前に講演を行う「英霊の名誉を守り顕彰する会」の佐藤和夫会長=7日夜、東京都文京区(石井孝秀撮影)
安倍晋三元首相の命日を前に講演を行う「英霊の名誉を守り顕彰する会」の佐藤和夫会長=7日夜、東京都文京区(石井孝秀撮影)

 「弔問に訪れた外国人に『日本人はこんなに国葬反対なのか』と、変な日本人観を持たれると困ると思い、計画した」

 佐藤氏は安倍氏の国葬前日となる2022年9月26日に国葬支持を訴えるデモを実施した。亡くなった安倍氏の国葬に反対するデモが全国的に広まる最中(さなか)、国葬に賛成する活動の必要性を痛感してのことだ。警察からは「国葬賛成のデモは初めて」とも言われたという。

 当日のデモ参加者は国葬に要人が出席する国の国旗を持ち、「国葬を支持します」などと記された横断幕を掲げて銀座の街中を行進。その間、AI(人工知能)技術によって再現された安倍氏の肉声で、国民への感謝と未来の発展を願うメッセージが、東日本大震災の被災地復興支援のチャリティーソング『花は咲く』と共に流された。

 自分と考え方が違ったとしても「亡くなった人に対しては、『ありがとうございました。お疲れさまでした』と言うのが日本人だ」と佐藤氏は強調する。デモの後、安倍氏への一般献花に大勢の人々が訪れ、長い行列をつくる姿を見て「やっぱり国民は安倍氏を信じていたんだ」と実感した。

安倍晋三元首相の国葬賛成を訴えるデモ=2022年9月26日午後、東京都(石井孝秀撮影)
安倍晋三元首相の国葬賛成を訴えるデモ=2022年9月26日午後、東京都(石井孝秀撮影)

中国との関係に課題も

 一方、佐藤氏は安倍政権の取り組みの中にも、幾つかの課題があったと指摘する。その一つは20年春ごろに予定されていた中国の習近平国家主席の国賓招聘(しょうへい)だ。

 新型コロナウイルス感染拡大によって延期・中止となったが、佐藤氏は「当時の安倍氏には、中国と良好な関係を結びたい経団連との関係や、中国で拘束された邦人解放の要請など戦略的な思惑があったと思う」としつつも、「天安門事件の時、欧米などが制裁をする中、日本は天皇陛下の訪中など先駆けて制裁緩和に動き、中国も復活してしまった。そのような大きなミスを過去にしているのだから、本当はもっと慎重であるべきだった」との見解を示した。

 さらに、佐藤氏が問題視するのが18年に成立した改正入管法だった。外国人労働者の受け入れが拡大されたことで「どんどん移民が入ってくるようになった」と指摘し、「ある小説家がこの国を守っているのは入管局だと言っていたのを聞いた。確かに防衛とは『異分子』を入れないことであり、異民族の文化が入ればガタガタになる」と懸念した。その上で、「入管法の厳しさは日本を守ることにつながる」と訴えた。

 このほか、佐藤氏は「日本人が主権という問題に無関心」であることへの危機感も表明。「北朝鮮拉致事件もだが、主権の問題を自覚できない日本の国民性は平和ぼけによるものだ。国を守ることを忘れ、米国に任せっぱなしでは属国と同じ。属国根性の日本を変えていかないと、日本の本当の独立はない」と呼び掛けた。

 また、日本の海上補給路であるシーレーンなど「国家の生命線が被害を受けないよう威圧するのが普通の軍隊だ」と主張し、「自衛隊が正々堂々、日本の敵に対して銃を向けて歯向かえる体制を、われわれが支えていかなければ。『自衛隊反対』と、国民のために戦う自衛隊の足を引っ張ることは、国民はすべきではない」と述べた。

 その上で「戦後レジームの中で、第1次政権時に防衛庁の『省』への移行など、あれだけのことをやった人はいない」と述べ、改めて安倍氏を評価した。

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