トップ社会推論の不法認定は人権無視 「証拠裁判主義に反する」家庭連合代理人

推論の不法認定は人権無視 「証拠裁判主義に反する」家庭連合代理人

家庭連合のコンプライアンス宣言後の損害原因(左)と不法行為の成否を示す円グラフ(中山達樹氏提供)

 東京高等裁判所が4日、世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)に対する解散命令を巡る抗告審で抗告棄却の決定を下したことを受け、抗告人代理人弁護士の福本修也氏は12日までに、自身の法律事務所のウェブサイトなどで見解を公開し、「10万人を超える信徒の信教の自由と人権を軽視し、事実に基づかない『妄想』によって宗教法人に死刑宣告を下した」と強い言葉で批判した。
 
 福本氏は、高裁決定は昨年3月に出された東京地裁の決定を踏襲したもので、「具体的な不法行為事実の特定を欠いたまま、抽象的な推測のみで不法行為認定」を行い、「証拠裁判主義に反する重大な欠陥を、さらに深化・拡大させた」と非難している。
 
 文科省は2023年10月、不法行為責任を認めた民事訴訟の判決32件や、和解や示談が成立したケースで献金被害規模が約204億円(被害者約1550人)に上るとして教団の解散を東京地裁に請求した。東京地裁は、1980年頃~2009年に1500人超が計約194億円の被害を受けたと認定した。
 
 また、国際弁護士の中山達樹氏によると、教団が2009年に「コンプライアンス宣言」を出して以来、高額献金などを巡って被害認定された144人のうち、不法行為責任が認められたのは4人(うち1人和解)で2・8%。金額では、被害認定分の約9億5700万円のうち約1860万円で1・95%。132人の示談が成立した。コンプライアンス宣言以降、被害が激減したことは明らかだ。
 
 高裁決定文は、事実・証拠がないため「確実に(不法行為を)認定することはできない」と認めつつ、その「可能性が否定できない」と指摘するなど、自己矛盾をはらんでいる。福本氏は、「推認に推認を重ね、いつの間にか断定的な不法行為認定に至り、それをもって解散命令の必要性を強調する論法は、法治国家における裁判の基本構造から完全に逸脱する」と強く批判した。中山氏は「著しく公共の福祉を害することが明らかに認められる行為」があるとするのは無理があると指摘した。
 
 「不当な論理が採用された」背景として、福本氏は、①「統一教会を潰(つぶ)せ」という強い社会的な空気(世論)に裁判所が支配され、結論ありきの判断に陥った②非公開の「密室裁判(非訟事件手続)」であることを利用し、通常の民事訴訟ではあり得ないような粗雑な論理が押し通された――ことを指摘している。
 
 教団は9日、最高裁に特別抗告した。高裁の決定には憲法違反、国際法違反などの重大な法律上の問題があるとして争う方針だ。

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