
埼玉県川口市の大型ショッピングモールで昨年11月、男女の性器の模型や成人向けグッズを展示する行き過ぎた性教育イベントが開催されていたことが分かった。このようなイベントを小さな子供も訪れる公共スペースである商業施設で開くのは不適切だとして、保護者らから戸惑いや懸念の声が上がっている。
「成人向けグッズが堂々と展示されていることにショックを受けました」
埼玉県川口市の大型商業施設「イオンモール川口」で昨年11月14日に開催された性教育イベントを訪れた埼玉県内の主婦は、本紙の取材にこう語った。

いわゆる「大人のオモチャ」に該当する自慰行為用商品や性器の模型を陳列した同イベントは、「性と健康の相談事業 ユースクリニック in 川口市」と題して実施されたもの。主催したのはイオンモールで、彩の国思春期研究会、川口市保健所健康増進課や日本財団などが共催した。
対象は小学生から中高生、保護者まで幅広く、入場無料で予約も不要だ。訪れた主婦は「対象年齢が早いと感じる」と、小さい子供を持つ母親として感想を述べた。
会場は1階センターコートと3階ホールに設けられた。センターコートは吹き抜けで、各階から見下ろせる人通りの多い場所だ。1階では性教育関連の書籍が大きなテーブルにずらりと並べられ、来場者が自由に閲覧できるようになっていた。3階では体験コーナーが設けられ、自慰行為用のグッズや避妊具に触れて学ぶ企画のほか、コンドームを収納するケース作りも行われた。
本紙が確認した会場の様子や参加者の証言によると、小学生がコンドームケース作りに楽しそうに取り組む姿が見られ、保健師が展示物や書籍を使って用途や役割を熱心に説明する場面もあったという。
前出の主婦は「性教育が大事なのは分かりますが、ここまで踏み込んだ展示を小学生に見せる必要があるのかなと、正直戸惑いました」と疑問を口にした。
包括的性教育を推進する専門家は、若い世代にこうした知識を伝えることには性被害の予防や若年妊娠の減少などにつながるとして教育的な意義を唱えており、今回のような取り組みを支持する声もある。
しかし、教育的意義を掲げれば何でも許容されるわけではなく、場所や対象年齢への配慮は欠かせないはずだ。陳列された自慰行為用グッズは商品である以上、営利目的で機能や効用のメリットをPRして広めようとする。依存症リスクもあるため、多くは自己責任能力が備わる成人年齢以上を対象とした店舗で売られている。
不特定多数が行き交う公共空間で、年齢にかかわらず誰でも目にできる形で成人向けグッズを展示することが適切だったのかという疑問は強く残る。
(報道部)






