全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の「被害」集計は、1989年から、とても霊感商法の商品とは言えない献金や借入、ビデオ受講料、内訳不明その他などまで「被害」に含めた集計を取り始めた。
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これには疑問が残る。霊感商法の商品として印鑑や壺(つぼ)、多宝塔などがマスコミを賑(にぎ)わしている時に、例えば、「私は統一教会(当時、現在は世界平和統一家庭連合=家庭連合)と知らずにビデオ受講しました」とか、「教会から献金(借入)させられました」とか、霊感商法対策を掲げる全国弁連に個別に申告してくる「被害者」が本当にいたのだろうか。
献金は、信者が自らの信仰に基づいて神に捧(ささ)げるもので、何かの理由で信仰を失っても、通常はそれを「被害」とは認識しない。一部棄教者が全国弁連の弁護士に、個人的に献金等の返還請求の相談をする可能性はあるが、それは霊感商法の被害ではない。
一部弁護士がその件数や金額を霊感商法「被害」に組み込むことはあり得るが、その規模が89年135件(合計約3億円)、90年248件(同約7億円)、91年207件(同約4億円)と毎年大変な規模となり、2021年まで続いていることを考慮すれば、それは全国弁連の極めて悪質で組織的、継続的な偽装行為と言わざるを得ない。
もちろん1992年の国際合同結婚式を契機に、マスコミが再び統一教会や霊感商法の批判キャンペーンを行ったので、同年以降に「被害」申告が拡大したことは否定できないが、それ以前の89、90、91年の3年間に、献金「被害」を抱える棄教者がなぜ毎年100人以上も霊感商法「被害」急減に悩む全国弁連の弁護士を訪ねたのか、これは解明されなければならない。
霊感商法が社会問題となった87年、脱会屋の宮村峻(たかし)氏や一部キリスト教牧師による旧統一教会信者の拉致監禁・棄教強要が一気に前年の1・5倍に当たる300件発生し、88年224件、89年192件、90年264件、91年302件、92年375件と最悪期を迎えた。被害者の7割は棄教し、過去の信仰を全て否定する「踏み絵」として行われる教団に対する損害賠償請求の代理人のほとんどが全国弁連の弁護士であったことが分かっている。
当時の教団等に対する通知書(複数)を見ると、ビデオセンターの入会金や修練会費、各種の献金、教会関係者から購入した印鑑や宝石、着物、人参茶などの物品購入代金、借入などが年月(日)や金額と共に細かく記されている。それを分類すると89年から登場した霊感商法の「商品別」被害集計の項目にほとんど当てはまる。
すなわち全国弁連は、拉致監禁による棄教者1人の損害賠償請求を数件~十数件の「商品別」被害に膨らませていた疑いが極めて濃厚なのだ。88年3月以降の被害規模の急拡大と共に、こうした「被害」誇張の疑いを晴らすのは、弁護士団体である全国弁連の役割だ。事実無根と言うのなら、「商品別」集計を隠すのではなく、集計を裏付ける原資料を提示すれば済む話だ。
(信教の自由問題取材班)






