トップ社会【特報】全国弁連の霊感商法「被害」偽装(上)「商品別」隠し金額・件数誇張 献金、借入までも計上

【特報】全国弁連の霊感商法「被害」偽装(上)「商品別」隠し金額・件数誇張 献金、借入までも計上

霊感商法「商品別」被害金額合計の構成比

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が一昨年、ホームページの霊感商法の被害集計から「商品別被害集計」を削除し、「窓口別被害集計」だけを「被害集計」として残した。全国弁連が霊感商法の主犯としてきた世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の解散命令請求の審理が東京地裁で進んでいた当時、同弁連はなぜ商品別集計を削除したのだろうか。(信教の自由問題取材班)

 全国弁連はその活動の目的を「旧統一教会による霊感商法被害の根絶と被害者救済」とする以上、霊感商法の被害集計は同弁連の存在根拠と言える。また、教団信者が関わる霊感商法の被害に限定した統計が他になく、弁護士団体という権威があるため、内容の検証も受けずに、独占的に情報を提供してきた。

 例えば、2022年7月の安倍晋三元首相銃撃・殺害事件の直後、全国弁連は総力を挙げて「山上徹也容疑者(当時)は旧統一教会の被害者」とするキャンペーンを行った。その際に、霊感商法の被害が1987年から2021年まで相談件数3万4537件、被害額1237億円で、「憲政史上最大の消費者被害と言える」(紀藤正樹弁護士、日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」22年7月27日付1面)と宣伝した。

 その根拠となったのが同弁連の「被害集計」だ。

2022年10月13日にキャプチャーした全国霊感商法対策弁護士連絡会ホームページ「商品別被害集計」(現在は削除)
2022年10月13日にキャプチャーした全国霊感商法対策弁護士連絡会ホームページ「商品別被害集計」(現在は削除)

 現在のHPを見ると、1987年から2023年まで各年ごとに、被害弁連(東京分)、被害弁連(東京分を除く)、消費者センターという窓口別に「相談件数(件)」と「被害金額(円)」が記され、さらに前記三つの窓口の合計が記されている。この各年の合計を21年まで総計すると、全国弁連が22年に発表した数字になる。

 それでは一昨年に削除された「商品別被害集計」とは何なのか。22年9月5日に複写した該当ページを見ると、1989年から21年まで各年ごとの「被害件数」と「被害金額」が14項目の「商品」別に表示されている。そして各年の合計は、窓口別被害集計(現被害集計)の該当年の合計と一致している。

 この14「商品」を見ると、印鑑、数珠念珠、壺(つぼ)、仏像みろく像、多宝塔、(高麗)人参濃縮液などの6項目は、1987年に社会問題となった当時から「霊感商法の商品」(山口廣、東澤靖著『告発 霊感商法・統一協会』87年10月発行)とされていたが、それ以外の4商品(絵画美術品、呉服、宝石類毛皮、仏壇仏具)や、とても「商品」とは言えない4項目(献金浄財、借入、ビデオ受講料等、内容不詳その他)まで記されている。

 この14項目を次の六つに分類して被害金額の合計(1億円未満は四捨五入、構成比)を示すと以下のようになる。

 ①霊感商法の6商品 約108億円(10.8%)

 ②献金浄財 約386億円(38.7%)

 ③その他の4商品 約28億円(2.8%)

 ④借入 約299億円(29.9%)

 ⑤ビデオ受講料等 約3億円(0.3%)

 ⑥内訳不詳その他 約175億円(17.5%)

 このように、②献金浄財、④借入、⑥内訳不詳その他という、「商品」でなかったり「商品」であることを証明できない3項目の合計だけで約861億円、実に全体の86.1%を占めている。これに対し、①霊感商法の6商品の割合は10.8%にすぎない。

 マスコミが霊感商法の高額商品を大きく取り上げた87、88年の被害金額(約238億円)を全て①の被害と見なしても、合計は約346億円で、②献金浄財より約40億円も少ない。また②④⑥の合計は依然、全体の69.6%を占めている。

 すなわち、全国弁連の「商品別被害集計」は、同弁連が宣伝した「霊感商法の被害」の大部分が消費者被害でないことを明らかにしているのだ。

 紀藤氏は22年7月22日、立憲民主党消費者部会旧統一教会被害対策本部でも、「消費者被害というのは窓口がうまく機能すれば10分の1ぐらいで、窓口が機能しなければ100分の1ぐらいと言われている。…仮に10分の1としても1兆円以上の被害があるということが推認できる」などと、集計金額が「消費者被害」だと強調し、被害規模を途方もなく膨らませた。

 紀藤氏はじめ全国弁連の弁護士は、商品別集計を誰よりもよく知っていたはずだ。それなのに、この資料を意図的に触れずに印象操作を行ったのだ。

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