
安倍晋三元首相を暗殺した山上徹也被告(45)の初公判を傍聴するための抽選券を求め、奈良地裁から徒歩で20分先にある奈良公園内には早朝から多くの人が集まった。
中には、傍聴抽選券の配布場所が裁判所と勘違いした人もいた。2人組の男性は「奈良公園って結構広いぞ」と言いながら小走りに走って行った。足の悪い年配者がぎりぎりに急いで駆け込んだため、会場の入口は1分遅れた午前9時31分に締め切られた。
たくさんの鹿がいる公園を横切り、傍聴抽選券配布場所に着くと、長蛇の列に備えて何重もの赤いコーンが置かれていた。配布場所の出口付近には100人ほどの報道関係者が詰めかけていた。
わずか32席の傍聴席を求め、集まったのは約750人。11時半に抽選結果が分かると、リストバンド型の傍聴抽選券を身に付けた人々は残念そうに奈良駅に向かっていった。老若男女さまざまな人が注目している裁判であることを改めて感じた朝だった。(宮沢玲衣)





