
世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の解散命令請求に異議を唱える教団信者らが30、31の両日、デモ行進、街頭演説、そして反対署名を集めるなど、全国一斉行動をした。
大阪府大阪市では31日、信者約600人が、信教の自由と基本的人権順守を訴えるデモ行進を行った。参加者は40分間、大阪の中心市街地を行進。「報道されている内容には現役信徒の声が全く反映されていない」と道行く人に訴えた。
デモ行進に先立って行われた集会では、フリーライターの窪田順生氏が家庭連合に対するメディアの見解に、家庭連合バッシング一色だった2年前とは変化が見られると指摘。複数のメディア関係者が「反対派弁護士やジャーナリストの言ってることが必ずしも正しくないのでは」と疑問を持ち始めたと明かした。その上で、「人となりを見せることが皆さんのグループで一番大切なこと」で、ポジティブなイメージを社会に発信していく重要性を強調した。

静岡県浜松市では30日、信教の自由と基本的人権をテーマにしたシンポジウムが開かれ、108人が参加した。
著述家の加藤文宏氏は、日本人の大半は信教の自由に関心がなく、教団を「得体が知れない」ものとし、侮辱や罵詈(ばり)雑言が浴びせられるようになったと分析した。「この世に存在しない問題が社会問題化された」ことによって広がった家庭連合に対するスティグマ(差別・偏見)は、2011年の東日本大震災の際の原発事故で福島の人々が受けた状況と似ていると指摘。風評被害を浴びせられた福島の人々から学ぶことは、「客観的な事実と証拠を世の中に発信し続け、味方を増やすことだ」とアドバイスした。
臨済宗妙心寺派金剛寺住職(沼津市)の水田真道氏は、「曇り(執着)を丁寧に解きほぐしていけば苦しみは少なくなるというのが仏教の本質だ」と説明。その上で、曇りを取っていくのが不当な流れを変えていく唯一の方法だと訴えた。
31日にはさいたま市でも講演会が開かれ、約180人が集まった。映画化された「でっちあげ」(新潮社)の原作者でノンフィクション作家の福田ますみ氏が登壇。教団の世間とのイメージとのギャップが大きく、「報道と現場の実態が異なることが多い」と指摘した。解散命令については「感情論で下された判断で、司法にロジックがない」と話した。

東京都では31日、渋谷区松濤(しょうとう)の家庭連合本部で全国の教会をオンラインで結ぶ「1万名賛美礼拝」が開催された。米ホワイトハウス信仰局の上級顧問、ポーラ・ホワイト牧師が激励のビデオメッセージを寄せ、「1万人の若き信仰者の皆さんが、平和をつくる者として立ち上がれば、皆さんは日本を、そして世界の国々をも変えるでしょう」と訴え、宗教による世界平和の実現に期待を表明した。






