トップオピニオンインタビュー家庭連合解散命令に異議あり 推測で「継続性あり」は酷い 国際弁護士 中山 達樹氏に聞く(上)

家庭連合解散命令に異議あり 推測で「継続性あり」は酷い 国際弁護士 中山 達樹氏に聞く(上)

 なかやま・たつき 1974年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒。2005年弁護士登録、10年シンガポール国立大学ロースクール修了。シンガポール法律事務所での国際弁護士を経て、15年中山国際法律事務所を開設。16年公認不正検査士、リー・クアンユー公共政策大学院修了。主な著書に『グローバル・ガバナンス・コンプライアンス』など。

世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)に対する文部科学省の解散命令請求について、これを問題視した有識者の意見書をまとめた書籍『家庭連合の「解散命令」に異議あり』(グッドタイム出版刊)を編纂(へんさん)した国際弁護士の中山達樹氏に聞いた。(信教の自由取材班)

――書籍では35人の有識者が異議を唱えているが。

意見書を出してくれたことはありがたい。けれども、まだまだ少ない。もっとたくさんいてほしいと思う。

――東京地裁が3月25日に出した家庭連合に対する解散命令決定では、教団の行為は宗教法人法で解散命令について定めた「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」(81条第1項1号)に該当するとしている。地裁の決定をどう見るか。

ひどい決定だ。家庭連合のコンプライアンス宣言(2009年)後の、いわゆる「継続性」について「看過できない程度の規模の被害」が生じているとした。

しかし、コンプライアンス宣言後に信者になった人の裁判は1件しかない。同宣言以前に信者だった人が宣言後に訴えた裁判を合わせても2件3名しかない。

それなのに「看過できない」規模の被害があると言っているのはなぜかと言うと、和解や示談から「推測」して不法行為を認定したり、潜在的な被害があるだろうと「想定」したりして、証拠裁判主義に反した認定をしている。

「看過できない」というのは見過ごすことはできないということだが、この6文字だけでは何の基準もなく、不明瞭だ。判決で一般的に使われるものでもなく、結論先取りの言葉遊びに感じる。ここが一番ひどい。

――この「想定」や「推測」で判決(決定)を出す先例はあるのか。

ない。証拠裁判主義に反するためだ。不法行為を認定するには証拠に基づいた具体的事実が必要だが、その認定をしていない。空前絶後の異常な判決だ。

何でこういう強引なことをやったかというと、結論先にありきで、なんとかして「継続性あり」つまり「看過できない」と言いたい。しかし、証拠となる被害はほとんどない。そこで、単に示談しただけの事例から強引に不法行為を無理やり認定している。

―― 解散命令請求の証拠とした民事裁判は30年も前の被害が殆(ほとん)どだが、今もそうだろうと決め付けた。

その通り。まず、昔に問題があったから今もあるだろうという説明で、コンプライアンス宣言も「弥縫(びほう)策」で「抜本的」対策ではないから、「問題状況」が残っていると言った。これは百歩譲って分かるとしても、何ら理由なく、「看過できない程度」に問題が残っていると言った。この不明瞭で恣意(しい)的な「看過できない」という認定が唐突で強引だ。

――ただ、大手メディアは殆どが地裁決定を支持した。その中で異論を唱える識者も出てきている。

ようやく声を上げる人が増えてきたなという気がする。

他にもおかしな点がある。例えば3月3日、最高裁が家庭連合に対する文部科学省の質問権を巡る過料決定をして、そこで解散の条件に「民法の不法行為も含まれる」と判断した。そのロジックがひどい。「法規範」違反だから「法令」違反という文理解釈を超えた判断をしている。それなのにメディアも騒がないし、弁護士が4万7000人いるのに異議を唱える人がいないのは、法律家としてとても寂しい。この最高裁決定を地裁の解散命令も踏襲した。

裁判所の解散審理の公開を “救済”と解散制度は無関係 国際弁護士 中山達樹氏に聞く(下)

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