基地負担軽減、安全保障、経済振興
自民党は17日、沖縄県那覇市内で総裁選候補者9人の演説会を開いた。在沖米軍基地の負担軽減策や、離島・国境の安全保障、経済振興策など、沖縄に特化したテーマを中心にそれぞれの政策をアピールした。
高市早苗経済安保相は、沖縄の離島の一部で、本来埋まっているはずの海底ケーブルが丸見えの状態になっていた事例を紹介し、「(中国などの)懸念国に切断されたとき、情報通信環境が閉ざされるなどの弊害が出る」として、危機管理の徹底の重要性を訴えた。
河野太郎デジタル相は、石垣市の尖閣諸島周辺で、中国による主権侵害が常態化している現状などを指摘し、「憲法論や法律論だけでなく、自衛隊と在日米軍でどうやって日本・沖縄を守っていくかの具体的な議論をしなければならない」と語り、防衛力強化に着手する姿勢をアピールした。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還などの基地負担軽減策について、石破茂元幹事長は、2013年に幹事長として辺野古移設容認を県出身議員に求めた経緯に触れ、「十分に理解を得たかといえばそうではなかった」と振り返った。その上で、日米地位協定の見直しや米軍基地の自衛隊との日米共同管理を提案した。
小泉進次郎元環境相は、米軍那覇軍港返還後の跡地開発に触れ、「新しい産業がうまれつつある。課題解決に全力で取り組む」とアピール。小林鷹之前経済安保担当相は、「離島で豊かな暮らしを営めることこそが国防につながる」として、離島間の移動や物資の輸送のコストを国が支援していくと強調した。
林芳正官房長官は「総理になったら、(従来の負担軽減策を)加速化させていく」と述べ、「一日も早く普天間返還を成し遂げなければならない」と語った。上川陽子外相は「基地関係者による性暴力・性犯罪は二度と起こさせない。厳しい姿勢で交渉に臨む」と訴えた。茂木敏充幹事長と加藤勝信元官房長官は、子育て支援や投資の拡大による経済振興に取り組む考えを示した。