沖縄県名護市で６月、米軍普天間飛行場（宜野湾市）の代替施設建設に抗議する女性と交通誘導中の男性警備員がダンプカーに轢（ひ）かれ、男性が死亡した事故を受け、沖縄防衛局は１５日、県に再発防止策を要請した。
防衛局が県の玉城デニー知事に宛てた要請書には、事故現場付近へのガードレールの設置や抗議者らに対する注意喚起を求める旨の内容が記されている。
これまで防衛局は、安全確保のためガードレールの設置などを再三、県に求めてきたが、県は、「歩行者の横断を制限することはできない」などとして許可してこなかった。また、事業者自ら費用を負担して設置することを県に提案するも認められてこなかった経緯がある。
同日、要請書を持参した防衛局の三沢大輔調達部長は記者団に対し、これらの経緯を踏まえ「（要請書の）提出に至った」と語った。
一方で、現地で抗議を続けてきた「オール沖縄会議」は、事故原因について「防衛局が辺野古新基地建設事業の工事を急がせるために、業者に無理を強いたことにあると思われる」などと、防衛局を非難している。
玉城知事の支持母体である同組織を中心とする抗議活動家らは長年、工事車両の進行を妨害するため道路をゆっくりと横断する「牛歩」を行ってきた。
