沖縄県の責任 自民が徹底追及 定例県議会 名護ダンプ死亡事故

県の対応を追及する島袋大県議(自民)=6月10日、沖縄自民のユーチューブより

沖縄県名護市で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の代替施設建設に抗議する女性と交通誘導中の男性警備員がダンプカーに轢(ひ)かれ、男性が死亡した事故で新たな事実が明らかになった。現場の事業者が事前に県に対し、ガードレール設置などの事故防止策を講じるよう何度も要請していたにもかかわらず、県が認めてこなかったのだ。県議会で野党の沖縄・自民党は県の責任を徹底追及した。(沖縄支局・川瀬裕也)

ガードレール設置承認せず

ちゃんと対応すれば事故なかった 島袋県議

県議会6月定例会で10日、代表質問に立った島袋大県議(自民)は、事故現場で抗議活動家らの「牛歩」による車両通行妨害などの危険行為が常態化していたことと関連し、沖縄防衛局や事業者が連日、北部土木事務所に解消を求めていたことに、県がどのように対応したかただした。これに対し、前川智宏土木建築部長は、「港湾施設内を支障のないよう歩行することは規制することができない」として、県が対応することは困難との認識を示した。

前川氏は、事業者が令和4年12月以降、事故現場付近の国道に事故防止のためのガードレール設置の要請を何度も同土木事務所に提出していたことを認めた。また事業者は、事故の1年前となる令和5年6月、県によるガードレール設置が難しい場合、事業者側が費用を負担してガードパイプを設置するとまで提案していた。

ところが県は、「歩道であること」を理由に、ガードレールを設置する予定がないことを伝えた上で、「歩行者の横断を制限することになる」として、事業者によるガードパイプ設置を承認しなかったと明かした。

これと関連し、県は昨年2月、牛歩行為を「港湾管理条例第3条5号で定める禁止行為に該当する」として、車両の通行妨害を禁じる警告看板を事故現場付近に複数設置した。ところが、抗議活動を主導する「オール沖縄」系市民団体らの猛反発により、2カ月足らずで撤去した。

この経緯について島袋氏が追加でただすと、前川氏は、市民団体の代表らと照屋義実、池田竹州両副知事と前川氏が面談を行った結果、「同地区における安全が確保されることを確認できた」として看板撤去に至ったと答弁。

島袋氏は、「あの時ちゃんと対応していたら、このような痛ましい事故は起こらなかったのではないか」と玉城デニー知事の責任を追及。事業者からの度重なる要請などを把握していたか問いただすと、玉城氏は「報告は受けていた」としながらも、「所要の判断については部局において行われている」と言葉を濁した。

この答弁に島袋氏は「こんないい加減な答弁ありますか。亡くなっているんですよ、人が」と猛批判。議場からも知事に対する批判の声が沸き上がった。

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