不法抗議容認し続ける玉城氏

米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブへの移設工事に反対する「オール沖縄」勢力の座り込み抗議活動開始から7日で10年となるのに合わせ、6日、ゲート前で抗議集会が開かれた。抗議活動ではこれまで、公道に違法テントを設置したり、資材の搬入車両の通行を妨害するなど、不法行為が横行しており、先日警備員の死亡事故まで起こっているが、玉城デニー知事はこれらを取り締まることはせず、容認し続けている。
(沖縄支局・川瀬裕也)
ダンプ事故で警備員死亡
市民団体「暗黙の了解」主張
「第43回県民大行動」(主催=辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議)が開かれた6日、キャンプ・シュワブのゲート前には1200人(主催者発表)が集まり、フェンスの前で一列に並び、「新基地建設を今すぐやめろ」と声を上げた。
基地反対派らは、2014年7月、沖縄防衛局が移設工事に着手したのに合わせ、同7日からゲート前での座り込みを開始。米軍基地のフェンスに無許可で横断幕を設置したり、公道に違法テントを立てるなど、不法行為が横行していた。
これらの活動には地元住民からの苦情が相次ぎ、基地に隣接する名護市久辺3区(辺野古区、豊原区、久志区)が、これらの抗議活動に対して、違法駐車の取り締まりやテントの撤去などを県警や関係機関に要請していたが、不法な抗議は常態化し、改善はみられぬまま10年が経過した。

本来、不法行為を取り締まる立場にあるはずの玉城氏は、これらの抗議活動を容認し続けているどころか、たびたび応援メッセージを送っている。6日に開かれた集会でも「皆さまの辺野古新基地建設反対運動に対する強い思いと奮闘に心からお礼申し上げる」と激励している。
そのような中で6月28日、名護市の安和港付近で移設工事に使用する土砂運搬用のダンプを交通誘導していた警備員の男性と抗議活動を行っていた女性がダンプカーに轢(ひ)かれ、男性が死亡する事故が発生した。現場では、女性含め3人が車両の通行を妨害するための「牛歩」を行っていたという。
地元紙などによると、現場で抗議活動を行っていた市民団体のメンバーは、これまで、抗議者1人が牛歩で道路を渡り終えると、警備員が車両を1台送り出すことが、現場の「暗黙の了解」だったとして、「6月に入ってから、警備員が強引に車両を2台続けて出すようになった」などと主張し、警備側の責任を追及している。しかし、この「暗黙の了解」には法的根拠があったわけではない。
7日には、関係者立ち合いの下、警察が現場検証を行い、現場付近に設置された防犯カメラの映像などと照らし合わせながら、抗議活動中に違法行為がなかったかも含め、慎重に捜査を進めている。
長年抗議活動を主導してきた山城博治氏は、6日の集会で事故の件について、「反対派が悪いからこうなるんだという言い訳がインターネットで蔓延(まんえん)しているのが悔しくてならない」などと語ったが、不法行為が横行する抗議活動を続けてきた以上、批判は免れないだろう。