沖縄は分断工作に晒されている 有村参院議員

沖縄は分断工作に晒されている 有村参院議員

県内の対立構造に警鐘

「台湾の安全と繁栄が重要」

沖縄県は15日、祖国日本に復帰して52周年を迎えた。これに関連し、県内各地で集会が催された。基地反対の労働組合や団体などが主催する平和行進と大規模集会では、参加者らが「沖縄は日米に虐げられている」と声を上げた。一方、沖縄県神社庁などが主催する大会は、復帰の過程を振り返り祝賀ムードに包まれたが、有村治子参院議員は講演の中で「沖縄は幾重にも分断工作にさらされている」と警鐘を鳴らした。(沖縄支局・川瀬裕也)

米軍基地が振興の障害に 玉城知事

「5・15平和行進」は県内の革新系労組などを束ねる沖縄平和運動センターなどが主催し、毎年復帰の時期に合わせ実施している。18日、宜野湾市内に集まった2190人(主催者発表)の参加者は二手に分かれ、同市の米軍普天間飛行場の外周を歩きながら、「辺野古新基地建設反対」「日米政府は沖縄に寄り添え」などと声を上げた。

その後行われた「平和とくらしを守る県民大会」には、新型コロナ療養が明けた玉城デニー知事が登場し、「復帰から52年がたった今も、広大な米軍基地の存在が振興の障害となっている」と語り、改めて辺野古移設反対の姿勢を強調した。他の登壇者からも、「日本政府の(沖縄に対する)仕打ちを許してはいけない」「復帰後も捨て石にされている」など、日本政府に対する批判の声が続いた。

「平和とくらしを守る県民大会」でシュプレヒコールをあげる玉城デニー知事(後段右から5人目)=5月18日、宜野湾市立グラウンド

これらの動きに警鐘を鳴らしたのが、参院議員の有村氏だ。19日に浦添市内で開かれた「沖縄県祖国復帰52周年記念大会」に出席し、講演の中で、「沖縄は幾重にも分断工作にさらされている」と指摘。その上で「沖縄と日本を利することと反対の意味で沖縄を分断し、影響力を行使したいと思う勢力は国内勢力だけではないことを確信している」と語った。

また有村氏は、台湾との関係について、昨年夏に実施した「台湾有事シミュレーション」に海上保安庁を管轄する国交相役で参加した経験を振り返り、「台湾有事は日本の有事、すなわち日米同盟の有事」との、故安倍晋三元首相の言葉を引用し、これに同意した上で、「台湾の安全と繁栄は、日本の安全と繁栄にとっても極めて大事だ」とし「いかに守ることができるかに最大の力を注がなければならない」と訴えた。

同大会では、日本沖縄政策研究フォーラムの仲村覚理事長も登壇し、「復帰の歴史を振り返るとき、新聞やテレビでは、沖縄返還が決まった後の話しか報道されない」と指摘。「沖縄が日本に返ってきたことを純粋に喜ぶことを決して報道せず、『基地が残ったから喜べない』とすり替えている」と語った。

実際に復帰50周年に際して共同通信社が実施した県民への世論調査で「本土復帰して良かった」と答えた割合は94%だった。その結果を見ても、復帰が県民にとってどれだけ喜ばしいことだったかがうかがえる。しかし、地元メディアなどは毎年、基地負担の問題のみを取り上げ、日米政府と沖縄との対立を煽(あお)っている。

2022年に開催された復帰50周年の式典で岸田文雄首相が式辞で述べたように、「戦争によって失われた領土を外交交渉で回復したことは史上まれ」な事例であり、沖縄が日本であり続けたいと願い、復帰を目指した人々の歴史にフォーカスを当てることが、今後の沖縄にとってより有意義なものとなると仲村氏は語った。

米軍基地や自衛隊の抑止力強化に対して一貫して反対の立場を貫く玉城氏は、独自の「地域外交」をスローガンに、「対話による平和構築」を訴えている。しかし、戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、沖縄が置かれた地政学上の位置付けを正しく理解するなら、日米同盟を主軸とした抑止力に裏打ちされた安定的な外交こそが、日本とアジアの安定的な平和を生むことは明らかだ。そのような厳しい現実を真摯(しんし)に受け止める必要があるのではないか。

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