過半数めぐり保革が激突 県議選 来月7日告示、16日投開票

オール沖縄」玉城県政に審判

与野党勢力が拮抗している沖縄県議会=3月28日、那覇市の沖縄県議会

沖縄県議会議員選挙は6月7日に告示、16日に投開票される。2022年に2期目の知事就任を果たした玉城デニー氏の県政に対する「中間審判」の性格を持つ今年最大の選挙だ。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る裁判や代執行手続きなどにより、国との関係悪化が深刻さを増す中、知事を支える革新系与党が過半数を維持するのか、あるいは、保守系野党が過半数を16年ぶりに奪還するのかが焦点となる。(沖縄支局・川瀬裕也)

那覇・南部離島区と中立系の動向がカギ

沖縄県議会の定数は48。現在、議長を除くと、玉城氏を支える与党(オール沖縄勢力)が24議席、野党・中立(保守系)は23議席で与野党の勢力はわずか1議席差と、拮抗(きっこう)している。6日現在、13選挙区から68人が立候補を表明しており、保革間での過半数を巡る熾烈(しれつ)な前哨戦が始まっている。

新型コロナ禍が明け、各立候補予定者は行動制限のない状態で、日々あいさつ回りなどで地盤固めに奔走している。ある保守系候補予定者は「今回の選挙でなんとしても与党に戻らなければならない」と街頭で大声をあげた。一方で、革新系の候補予定者は「玉城知事を支え、県民の暮らしと安全を守り抜く」と声高に訴えていた。

しかし、2期目の玉城県政は決して穏やかなものではなかった。有機フッ素化合物(PFAS)の県庁からの漏洩(ろうえい)と公表遅れ、県土木建築部による補助金手続きミスや県保健医療部による不適切な会計処理など、不祥事が相次いだ。

また、辺野古移設工事の設計変更承認を巡る裁判では最高裁で敗訴したことで、自身の「辺野古に『新基地』をつくらせない」との公約は破られた。それでもなお抵抗し続けるも、国が代執行手続きに踏み切り、1月から埋め立て工事が再開している。

記者会見する玉城デニー知事=2023年9月、県庁

さらには、昨年9月に玉城氏がスイス・ジュネーブの欧州国連本部を訪問した際、人権理事会でスピーチ枠を準備したNGO「市民外交センター」が沖縄県民を先住民族であると主張し活動している組織だったことが発覚し、県議会で追及されるなど、批判が相次いだ。

この問題に関連して、3月の県議会最終本会議では沖縄県民を「先住民族」であるとする国連勧告に対し、撤回を求める決議案が審議されたが、与党の反対多数や、一部野党の退席により否決された。

今回の県議選においてカギとなるのは最大選挙区の那覇・南部離島区の動きだ。現在、現職と新人合わせて17人が立候補を表明しており、定数11を争う。ここでの勝敗が与野党の構図を決定付けるものとなる可能性が高い。

現職11人のうち、野党は引き続き5人(自民3、公明1、維新1)が再選を狙う。一方、与党からは4人(共産2、立民1、無所属1)が立候補を表明しているが、2人は国政進出などの理由で引退を表明している。現職は再選を、新人はこの空席への滑り込みをかけて熾烈な争いを繰り広げることが予想される。

決戦に先駆け、共産党の田村智子委員長は4月3日、沖縄入りし、玉城氏と共に7候補への支持を訴えた。連合沖縄(仲宗根哲会長)も16日、執行委員会を開催し、立候補予定者22名に推薦状を手渡しエールを送った。

一方、野党・自民候補者も次々と地盤地域で事務所開きをし、チラシ配布や街頭演説に奔走して支持固めに余念がない。しかし、党本部派閥の裏金問題などが足を引っ張る可能性もある。「(衆院3補選での)自民惨敗の影響は無いとは言い切れない」(自民党県連関係者)という。

また、最大野党・自民の公認・推薦候補予定者全員が当選しても野党は過半数に達しない。保守系無所属と公明との連立は不可欠となる。

公明は、辺野古移設に対する意見の違いから、自民と歩調を合わせず中立の立場を取っている。候補者が競合しない選挙区では自公連携が基本だが、県政運営での連携に関しては慎重な姿勢を崩していない。

県内の保守と革新の基礎票はほぼ同じと言われているだけに、中立系候補の動きが戦局を左右する。無所属中立を反玉城派に取り込むことができるかどうかもカギになる。

いずれにしても、選挙結果は今後の玉城県政に大きな影響を与えるだけでなく、日本の安全保障にとっても重要な位置付けとなることは間違いない。

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