陸自沖縄駐屯地で51周年記念行事

新設の八重山警備隊が初参加

式典に初参加した八重山警備隊=11月26日、那覇市の陸上自衛隊那覇駐屯地

陸上自衛隊第15旅団創隊13周年と那覇駐屯地創立51周年の記念行事が11月26日、同駐屯地で行われた。式典には今年新設された石垣駐屯地の八重山警備隊が初参加。第15旅団長の松永浩二陸将補は式辞で「南西地域における抑止力の要としての役割を果たし続ける」と旅団の重要性を強調した。(沖縄支局・川瀬裕也、写真も)

南西地域での抑止力強化へ

那覇駐屯地は昭和47年、沖縄県の本土復帰直後に創立され、現在に至るまで南西諸島防衛の要として役割を担っている。

式典では冒頭、今年4月に発生したUH-60JAヘリコプター墜落事故で犠牲になった10人の隊員の冥福を祈り、全員で黙祷(もくとう)が捧(ささ)げられた。

式辞を述べる松永浩二第15旅団長=11月26日、那覇市の陸上自衛隊那覇駐屯地

恒例の観閲行進には、今年3月に新設された八重山警備隊が初参加し、トレードマークの赤い隊旗を掲げて隊列を組み走行した。石垣駐屯地の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を搭載した車両や、米海兵隊第3海兵師団の車両なども披露された。

防衛省は、中国の軍事的海洋進出が進む南西諸島において、陸自防衛網が脆弱(ぜいじゃく)になることによる離島防衛の「空白」を埋めるため、これまでに、与那国島と宮古島、鹿児島県の奄美大島に駐屯地を開設してきた。石垣駐屯地開設および八重山警備隊の新設は、一連の南西諸島における防衛力強化の最終段階だ。

観閲行進する八重山警備隊の車両=11月26日、那覇市の陸上自衛隊那覇駐屯地

松永旅団長は「第1列島線における陸自の部隊配備が進展し、さらなる防衛力強化を図っている」と強調し、南西諸島を「わが国防衛の最重要正面」だとして、海空自衛隊や在沖米軍、県内市町村と連携の強化を図っていくと語った。

玉城デニー知事の代理で出席した池田竹州副知事は、「多くの離島を抱える沖縄において、緊急患者の空輸や災害救助など、県民の財産・生命を守るために多大な貢献をいただいている」と感謝の言葉を述べた。一方で、県が懸念を表明している自衛隊統合演習や日米合同訓練などの、安全保障関連についての言及は避けた。

来賓として出席した元沖縄担当相の西銘恒三郎衆院議員(自民)は、「毎日毎日の訓練の積み重ねが、沖縄はもとより日本国民全体の安全安心をもたらしている崇高な任務だ」と激励し、「皆さまの働きやすい環境を、予算面も含め、全力で応援したい」と語った。

このほか、屋良朝博衆院議員(立憲民主)や第11管区海上保安本部の島谷邦博本部長が来賓であいさつした。

記念行事に伴い、駐屯地内は一般開放され、多くの来場者でにぎわった。子供3人を連れて訪れた宜野湾市の夫婦は「日頃から子供たちに自衛隊の大切さを伝えているが、実際に連れてくることができて良かった」と笑顔で話していた。

一方、式典中、駐屯地前の路上で「琉球先住民族の権利保障・回復を求める有志」などと書かれた横断幕を掲げた数人が自衛隊や米軍基地の閉鎖や撤去を求め、メガホンで声を上げていた。目撃者によると、駐屯地への来場者との間でトラブルに発展しかける場面もあったという。

オスプレイへの反発強める オール沖縄勢力

米空軍横田基地(東京都福生市など)所属の輸送機CV22オスプレイが訓練中に鹿児島県の屋久島沖に墜落した事故を受け、玉城デニー知事は11月30日、「大変遺憾だ」と声明を出した。

海上保安庁や地元漁師らが連携し現在も懸命な捜索活動が続いているが、玉城氏は、捜索や救助活動においてもオスプレイを使用しないよう沖縄防衛局へ申し入れた。

オスプレイ撤去を求める抗議集会=12月4日、嘉手納町の沖縄防衛局前

12月4日には県議会で「米軍基地関係特別委員会」が臨時招集され、玉城知事を支えるオール沖縄系の議員からは飛行停止だけではなく撤去を要請すべきとの声も上がった。

同日、オール沖縄勢力は嘉手納町の沖縄防衛局前でオスプレイ飛行停止を求める抗議集会を開き、「日米両政府はすべての欠陥機オスプレイを沖縄・日本から撤去せよ!」と声を上げ、代表団が沖縄防衛局に抗議文を手渡した。

オスプレイが2012年、沖縄に配備されて以来、オール沖縄勢力は、オスプレイを「欠陥機」だとして、飛行停止や配備撤回を訴えてきた。今回の事故で、より一層反発を強めそうだ。

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