知事の国連訪問 自民が徹底追及 沖縄定例県議会

NGOとの連携 妥当性問う

一般質問で自民県議から追及される玉城デニー知事=6日午後、沖縄県那覇市の県議会

玉城デニー知事が国連人権理事会で発言した際に、沖縄県民を先住民族であると主張し活動するNGO「市民外交センター」と連携していたことが発覚し、県議会野党の沖縄・自民党が9月定例県議会の一般質問で追及した。また、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に伴う工事の設計変更承認の判断を巡る玉城氏の姿勢や、県庁舎から有機フッ素化合物(PFAS)が流出していた問題なども取り上げ徹底的に追及し、玉城氏含む県当局は釈明に追われた。(沖縄支局・川瀬裕也、写真も)

PFAS流出、辺野古訴訟 釈明追われる玉城氏

問題となっているのは、玉城氏が9月18日、スイス・ジュネーブの欧州国連本部において人権理でスピーチをした際に、スピーチ枠を準備したNGO「市民外交センター」が、沖縄県民を先住民族であると主張している組織だったことだ。また、国連の入館手続きなどの具体的な業務を県が委託した受注組織も、同NGO代表である恵泉女学園大学の上村英明教授が共同代表を務める「一般社団法人新時代アジアピースアカデミー(NPA)」だったことなども判明している。

10月6日の一般質問では沖縄・自民の8氏が次々とこの問題について質問した。

玉城知事を追及する座波一県議(自民)=6日午後、沖縄自民のユーチューブより

座波一県議(自民)は国連活動の適切性について、玉城氏が連携したNGOの実態が明らかになったことについて、「知事は(同NGOがどんな組織か)当初から分かっていたのか。知っていたのなら、知事は県民を騙(だま)したことになる」と詰め寄った。これに対し玉城氏は、「(同NGOは)国連の中でも評価が高いと聞いている」と答弁。続けて座波氏が「(どんな)団体か分かった上で、その枠で発言したということで良いか」と重ねて質(ただ)すと、玉城氏は「そのグループがさまざまな活動をしているということは承知している」としながらも、あくまで県知事として発言したものだと釈明した。

また座波氏は、県庁からPFASが流出していた問題について、「ブーメランが玉城県政に直撃した」と皮肉り、「(玉城氏)自らの失態を隠蔽(いんぺい)し、何食わぬ顔で、被害者を装ったように国連で演説をする」姿勢を「まさに厚顔無恥」と批判した。玉城氏は「改めておわびを申し上げ、再発防止に努めたい」と述べるしかなかった。

花城大輔県議(自民)は、県が同組織に業務委託として、関連費用で700万円ほどを算出した点について、「県予算で執行する妥当性はあるのか」と質問。県当局は、国内外に沖縄県の問題を広く世界に発信することができたとし、妥当性を主張した。

また花城氏は辺野古訴訟県敗訴に伴う工事の設計変更承認について、玉城氏が4日、「期限までの回答は困難」としたことについて、「事実上の不承認ではないか」と指摘。「自らの保身を考えた結果だと言わざるを得ない」と厳しく批判した。

さらに、辺野古のキャンプ・シュワブ前の反対活動の拠点について、違法性を確認した上で、玉城氏が複数回、同拠点を訪問していることを問題視し「自身の正義の前には法を破ってもいい(と思っている)と捉えられても仕方がない」と強調した。

自民会派としては、これらの問題を県内世論に浸透させたい考え。ただ、地元メディアが県政批判に消極的で、知事を追い詰めるまでのうねりは起きていない。傍聴者の一人(男性)は「知事はのらりくらりかわすばかり。県民をバカにしている」と不満を漏らした。

辺野古工事の承認の可否について期限までに回答せず「実質不承認」の立場を選んだ玉城氏だが、同日の議会で、今後の方針について問われるたびに、政府との話し合いの場を求めたいと訴えた。しかし、「話し合いができないから裁判したのに何を言っているんだ」とのやじが飛ぶなど、議会での風当たりは厳しいものがあった。

自民党が追及したポイント

・県が委託した一般社団法人と玉城氏が発言枠を借りたNGOの代表者が同じなのはなぜか

・知事はNGOの思想・活動方針まで把握していたか

・国連訪問にかかる予算の公費算出は妥当だったか

・PFAS流出の公表が遅れたのはなぜか

・辺野古工事の期限内承認をしなかったのは知事の保身ではないか

・キャンプ・シュワブ前の反対派の拠点への知事の訪問は適切か

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