台風6号襲撃 玉城氏の災害対応に批判集中

不透明な動向で不信感増す/SNS投稿に「自宅でラジオ」の臆測も

災害対策本部会議に出席する玉城デニー知事=3日午後、沖縄県庁(沖縄県提供)
災害対策本部会議に出席する玉城デニー知事=3日午後、沖縄県庁(沖縄県提供)

非常時備蓄の脆弱性顕著に

台風6号が沖縄県を襲った。台風の進路変更に伴い、被害が長期化したことにより、災害時の食料備蓄の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。こうした中、県災害対策本部のトップとして指揮を執るべき玉城デニー知事の不透明な動向に、SNSを中心に批判が集まっている。

(沖縄支局・川瀬裕也)

大型で非常に強い台風6号は1日夜、那覇市の南方海上に接近。西北西へと進み、2日にかけて沖縄本島と先島諸島の間を通過した。沖縄本島全域と八重山地域を暴風域に巻き込み、各地で停電や断水、浸水などの被害が発生した。暴風域内の最大瞬間風速は70㍍に達し、自動車が横転したり、街路樹の倒伏や家のシャッターが壊れるなどの被害が相次いだ。

3日から4日午前にかけて先島諸島の北方にとどまった後、進路を東北東へ切り替え、沖縄本島へ再接近した。同日午後には再び本島全域が暴風域に。線状降水帯が発生した影響で、読谷村では土砂崩れが発生するなど、大雨の被害も発生した。

台風の影響で那覇空港を離発着する航空便は1日から全便欠航となり、3日午後から4日午後まで臨時便が運航したものの、台風再接近の影響で再度5日から終日閉館となり、多くの観光客らに影響が及んだ。

台風被害に先立ち、県は7月30日に災害対策本部を設置。28日からハワイに外遊中だった玉城デニー知事は第1回の会議に出席できず、出張先からメッセージを発信し、早めの台風対策や不要不急の外出自粛などを県民に求めた。これに対し、SNS上では、「不要不急の外遊をしているのは知事本人」「災害対策本部のトップとしての責任感が感じられない」など、厳しい声が目立った。

物議を醸した玉城氏の投稿=玉城氏のフェイスブックより
物議を醸した玉城氏の投稿=玉城氏のフェイスブックより

さらにその後、玉城氏のSNS投稿にも批判が相次いだ。玉城氏は、「停電の影響でテレビが受信できないため、携帯からの情報に加えラジオからも台風の情況を確認しています。AM放送は貴重です。(再掲)」とラジオの写真付きで投稿。これについて、「台風の最中に知事が自宅でラジオ!?」「災害対応で公舎に張り付いていないのか」など、さまざまな憶測が飛び交った。

これらの玉城氏に対する不信感の原因として、県ホームページの「知事の日程」が7月20日の更新を最後に止まっていることが一つの要因として考えられる。8月7日時点で、知事の予定は7月24日の全国知事会議までしか掲載されておらず、ハワイ外遊も、災害対応の動向も更新されていない。

この件について、知事公室に問い合わせたところ、知事が帰国した7月30日夜以降、知事の個別の動向については答えられないとの回答だった。

災害対応で知事が初めて公に姿を見せたのは3日午後に県庁で開かれた災害対策会議だ。長引く台風被害による停電や断水解消のため、自衛隊に災害派遣要請を検討すると発表した。

ただ、玉城氏は平素から反基地・反自衛隊を掲げている。6月9日に防衛省を訪れ、自衛隊の敵基地攻撃能力を有するミサイルを県内に配備しないよう要望。先日のハワイ外遊でも、現地の海兵隊基地を訪ね、在沖米海兵隊の移転受け入れをスムーズに行うよう要請している。

元県職員の男性は、「仲井真弘多(ひろかず)知事時代は、台風被害があれば、離島であってもその日のうちに職員を現地派遣したし、知事は災害本部に張り付いていた」と述べ、玉城県政での危機管理意識の低さを批判。那覇市内の避難所でこのニュースを知った男性は「日頃から自衛隊に敵意を向けていながら、災害時だけ助けてくれというのは都合がよすぎる」と話した。

一方、今回の台風によって新たに浮き彫りとなったのが、食料備蓄などの脆弱性だ。一時的にスーパーなどから食料品が枯渇することはこれまでも多々あったが、今回は台風被害が長期化したことで、深刻な問題となった。

また長引く停電で、携帯の充電が切れてしまって、災害の情報収集ができなくなる問題も発生した。こうした問題からも、災害時のシェルターの必要性を訴える声が上がっている。非常用の電源や食料を確保したシェルターを備えることは、有事への備えのみならず、今回のような長期化した自然災害においても非常に重要であることが改めて示された。

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