島の成り立ち学び自然に親しむ 「しまうみ探検隊」 石垣島で開催

「石垣島の地質は古い岩石と琉球石灰岩で構成される。古い岩石

「第2回しまうみ探検隊in石垣」(主催・海と日本プロジェクト県実行委員会)はこのほど、3日間の日程で沖縄県石垣市で行われ、県内在住の小学5、6年生20人が海や畑などを訪れ、島の成り立ち、人の暮らしとの関係性、自然を守るために何ができるのかについて学んだ。(沖縄支局・豊田剛)

日本財団の「海と日本プロジェクト」

農園で環境に優しい農業学ぶ

日本を取り巻く海が暮らしを支え、時に心の安らぎを与えてくれ、ひらめきを与えてくれる。日本財団が行っている「海と日本プロジェクト」は、海で進行している環境の悪化などの現状を、子供たちをはじめ全国民が「自分ごと」として捉え、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくためにプロジェクトを推進している。同プロジェクトを石垣島で開催するのは今回が2回目。

初日、参加した児童は、伝統的な木造船「サバニ」造りの知恵や文化について学んだ。国内で木造船を造れるのは10人ほどとされる。その中の一人、石垣島で船大工として働く吉田友厚(ともひろ)さんが講師を務めた。

海岸で集合写真を撮影した「第2回しまうみ探検隊」の参加者ら(写真上)。花谷農園では、土壌について学んだ(同左)=沖縄県石垣市提供

吉田さんは、サバニの本体は宮崎産の杉で、クサビは石垣産のイヌマキの木を使用していると説明。前のめりになって話を聞く児童らを前に「伝統あるサバニを観光に活用し、海の大切さを伝えていきたい」と伝統の重さを語った。

荒天のためサバニ乗船とシュノーケリングは中止となったが、その代替プログラムとして参加者は島北部にある鍾乳洞を探検した。草むらを分け入った先にある洞窟の割れ目からスタート。ロープで4㍍ほど下り、水が流れる暗い岩場をヘッドライトを頼りに、水たまりを泳ぎながら進んだ。島をつくった琉球石灰岩や鍾乳洞に生息する生き物を間近で観察した。

2日目は、「島のつくりかた」がテーマで、ヤマバレーと呼ばれる海岸地域を訪れた。岩場から海岸には急勾配の崖を下り、岩壁を観察した。岩壁に近づいて見るとサンゴの模様が確認でき、参加者はかつてはサンゴ礁だったことを確認した。

石垣島で自然環境教育を行う「エコツアーふくみみ」ガイドの大堀健司さんが石垣島の成り立ちや構造を説明した。

「石垣島の地質は古い岩石と琉球石灰岩で構成される。古い岩石にもさまざまな種類があり、2億年も前の変成岩である片岩やマグマが地下深くで冷え固まった後に浮上してきた花崗(かこう)岩、火山噴火でできた安山岩などがある。古い岩石の周りにサンゴ礁が育ち、時間をかけて琉球石灰岩となり隆起、陸地となり、島が構成された」(大堀さん)と琉球石灰岩でできた陸地はサンゴ礁段丘と呼ばれ、住居や畑の多くはサンゴ礁段丘の上に築かれてきたという。

最終日は、石垣島中部の畑で農薬や肥料を一切使わず土作りを通して高品質の野菜を育てる「花谷農園」を訪問した。ここは、畑の常在微生物が持つ力だけで土作りし、環境に優しい農業に取り組んでいるのが特徴だ。講師を務めた同農園の花谷まゆさんは、植物が地中深くまで根を張るために保水力が高く、赤土流出防止にも役立っていると語った。

その上で「地中の微生物は体の水分を奪われて死滅する。化学物質が地中で蓄積すると30㌢ほどの深さで固い硬盤層ができる。微生物が減った地中では水や空気の流れが止まり、硬盤層以上に根っこが地中に伸びない。その土壌では植物は病気になり、それを改善するためにまた農薬を、といった悪循環といえる状態になる」(大堀さん)と肥料・農薬・除草剤を使うデメリットについてこう説明した。

参加者の児童は、オクラ畑で実を摘み取って味見。「しょうゆで味付けしなくても甘くておいしい」「これが、オクラ本来の味ですね」などと喜んだ。

全行程を終えた参加者は、「自然を守ると言っているだけではだめで、行動しなくてはならないと思った」(小6女子)、「また石垣に行って親と巡りたい。自然を残すためにできることをしたい」(小5女子)といった感想を実行委員会に寄せた。送り出した保護者からも「あまり学校での出来事などは教えてくれないのですが、普段と全く違った顔ですごくイキイキしながら話してくれる姿を見て感動しました」というコメントがあった。

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