埼玉県三芳町 庁舎内『赤旗』勧誘は50年以上前から


共産党に是正申し入れ

 庁舎内での議員の立場を利用した政党機関紙の勧誘のあり方が各自治体で議論されているが、埼玉県三芳町議会で今年2月28日、この問題を追及する町議が「私も長年役場で勤務してきたが、庁舎内における共産党機関紙『しんぶん赤旗』の勧誘は50年以上前から行われていた」と指摘した。この発言は、庁舎内勧誘・配達の根深さを浮き彫りにしたもので、その後、担当部署が共産党に是正申し入れを行い一部、改まったという。
(「しんぶん赤旗」問題取材班)

細谷三男氏

細谷三男氏

 この発言をしたのは、細谷三男町議(当時)。細谷氏は42年間、三芳町役場に勤務し、その後、町議会議員を1期務めた。今春の選挙は、体調不良のため出馬しなかった。現在、67歳。

 細谷氏によれば、三芳町役場では長年、複数の共産党議員が機関紙「赤旗」の勧誘、配達、集金を手分けして行ってきたという。

 質問の中で、同氏は地元の高校を卒業した翌日の昭和46(1971)年3月8日から同役場に勤務。「先輩から言われて机の上を雑巾がけしようとしたところ、自分の机の上に赤旗が置いてあったのです。ぱっと見ると、上司や先輩の机にも同様に置いてありました。皆さんが購読しているのだと、そういうふうに不思議に思いました」と当時を振り返った。

 月末には、配達の人から「皆さんに読んでもらっているのでお願いしますね」と言われて断れず、購読したという。

 細谷氏は「退職して6年、役場勤務が42年になるので、50年以上前からこの勧誘はあったのだと私は思います」と語った。共産党は機関紙拡大に力を入れて、1960年代から70年代にかけて部数を増やし、80年代には300万部を超えてピークを迎える。共産党が強気で拡張していた時代を細谷氏が目撃したのである。

 答弁に立った総務課長の調べでは、同役場職員の約10%弱の26人が「赤旗」を購読中であり、ほとんどが管理職とのこと。

 機関紙の配達・集金の多くは昼休みあるいは就業後、幾つかの課では就業中の執務室内で行われ、同時に購読勧誘もしているが、これらの行為は庁舎内管理規則に反すると財務課長は指摘。「今後、絶対的に禁止すべきである」という細谷氏の申し入れに対して、財務課長は「やめていただくように関係者に申し入れを行いたい」と答弁した。

 本紙の取材に対して、財部課は「その後、口頭で共産党議員団に是正の申し入れをして、保険のセールスと同様、正午から午後1時までの間に配達・集金をして、勧誘は行わないようになった」と語った。

 この変化について、細谷氏は「勤務時間帯に行われていた配達・集金が休み時間内に制限されたのであれば一歩前進であり評価できる。それでも、町民に誤解を与えないように、政党機関紙は自宅で取るように周知徹底するなどの改善を望みます」と語った。