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北方領土を戦争で取り返す是非に言及した…


 北方領土を戦争で取り返す是非に言及した丸山穂高衆院議員に対する糾弾決議案を、与野党共同で提出する方向で調整が行われている。その発言を批判し、国会議員の資格はないとして、自ら進退を決断するよう求めるという。

 丸山議員が軽率であることは言うまでもない。政治家としての資質にも疑問符が付く。ただ、政治家やマスコミの反応は少し異常である。

 日本維新の会は、本人の離党届では不足と除名処分。片山虎之助共同代表と馬場伸幸幹事長がロシア大使館を訪れ、ガルージン大使に「不快な思いをさせた」と謝罪するに至っては国辱的と言うしかない。その国が、ウクライナのクリミア半島を力で併合したことを考えるとほとんど戯画の世界である。

 丸山議員は「戦争をして取り返せ」と言っているのではない。恐らく、北方領土をロシアが占拠しているのは「第2次大戦の結果だ」というラブロフ露外相の言葉が念頭にあったのだろう。

 平和憲法の下、丸山議員を批判するのは簡単だし、平和愛好者だと見せつけることはできる。しかし、そういう政治家たちは北方領土の返還を、どれほど真剣に考えているのか。もちろん、軍事力で取り返すなど非現実的だ。かといって、ロシアと対話、経済協力を進めれば返ってくるとは思えない。

 力の裏付けなしの外交は、社交あるいは交流にすぎない。中国と激しくやり合うトランプ米大統領から、相手の譲歩を引き出す手法を学んではどうか。