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トランプ氏来日、令和時代も緊密な日米関係を


 トランプ米大統領が令和最初の国賓として来日した。

 皇居では天皇、皇后両陛下と会見した。天皇陛下は「私の即位後の最初の国賓として大統領をお迎えできることをうれしく思います」と述べられた。新たな時代において、日米両国の緊密な関係が示されたことは喜ばしい。

 首脳会談で友好アピール

 この後開かれた日米首脳会談で、安倍晋三首相は「令和に入っても同盟の絆が強固であることを鮮明に内外に示したい」と強調。トランプ氏も「同盟はかつてなく盤石だ」と述べた。両首脳が改めて友好をアピールしたことを歓迎したい。

 もっとも、日米間には懸案もある。日米貿易協定交渉について、トランプ氏は参院選後の8月決着に意欲を表明した一方、日本側は否定した。焦点の農産物をめぐって、日本政府は環太平洋連携協定(TPP)と同水準の関税撤廃・引き下げが限度との立場だ。

 トランプ氏は「われわれはTPP水準に縛られていない」と言明した。しかし、TPPには米国との貿易摩擦が激化している中国を牽制(けんせい)する効果があることを忘れてはならない。

 米国は、中国の知的財産権侵害や外資系企業が中国で技術移転を強要されていることを問題視し、中国に制裁関税を発動している。TPPのルールは知財権侵害などを禁じており、TPPに参加すれば、他の参加国と共に「中国包囲網」を築くことができる。日本は米国に対してTPPの水準以上の譲歩をすべきではない。そして、TPP復帰を促していく必要がある。

 一方、核合意をめぐって米国とイランとの軍事的緊張が高まる中、首相は緊張緩和に向けて6月のイラン訪問を検討している。トランプ氏は、首相の対応を支持する姿勢を示した。

 米国と同盟を結ぶ日本は、イランとも伝統的に友好関係にある。米国とイランとの仲介役を果たせるか、首相の外交手腕が問われよう。

 トランプ氏は、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母親早紀江さんら拉致被害者家族と面会して「(首相と)一緒に取り組み、帰国させるように頑張りたい」と述べた。被害者家族は高齢化が進んでおり、一日も早い拉致問題解決が求められる。

 全ての日本人被害者の即時帰国を目指す首相は、条件を付けずに北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と対話する意向を示している。実現のめどは立っていないが、まずは解決に向け、米国との連携強化が重要だ。

 首相とトランプ氏は、6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて再び会談を行う。これで日米首脳会談は3カ月連続となる。首相は「G20首脳会議の成功に向けて、しっかりと日米の調整を図っていきたい」と述べた。

 同盟強化へ不断の努力を

 令和初の国賓としてトランプ氏を迎えたことは、日本の外交・安全保障の基軸が日米同盟であることを内外に示す上で最も適切な判断であった。

 日本は自由や民主主義などの価値観を共有する米国との同盟の一層の強化を目指して不断の努力を重ねる必要がある。