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日韓外相会談、韓国の誠意ある対応が必要


 河野太郎外相はパリで、韓国の康京和外相と会談した。この中で韓国人元徴用工問題について、1965年の日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置に応じるべきだとの日本側の立場を説明。早急に解決策を講じるよう求めた。

日本は仲裁委委員を任命

 協定は、2国間協議で両国間の「紛争」が解決できない場合、両国がそれぞれ任命する委員と第三国委員で構成する仲裁委に解決を委ねると定めており、日本側はすでに委員を任命している。だが、康氏は仲裁委設置に同意しなかったようだ。

 これまで日韓両政府は「元徴用工らの個人請求権問題は協定で解決済みだ」との認識を共有してきた。ところが韓国の文在寅政権は、韓国最高裁が昨年10月に日本製鉄(旧新日鉄住金)に元徴用工への賠償を命じる判決を下して以降、この問題を放置したままだ。

 徴用工訴訟の原告側は今月、差し押さえた日本企業の韓国内資産を現金化するため売却命令を裁判所に申し立てた。だが、韓国の李洛淵首相は「政府の対応には限界がある」と述べるなど極めて無責任な態度を取っている。日本企業が実害を被る事態に陥れば、日韓の対立は決定的なものとなろう。河野外相は「李首相の上にいる文大統領が対応策を考えなければ解決に結び付かない」と強調した。

 韓国外務省によると、康氏は河野氏との会談で徴用工問題について「韓日関係全般に否定的な影響を及ぼさないよう両国が賢く解決する必要がある」と語り、日本側に慎重な言動を促した。しかし、非があるのは韓国側である。日本が仲裁委の設置を求めるのも、韓国政府の誠意ある対応が見られないからだ。

 それにしても、文政権の反日姿勢は目に余る。「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった2015年の日韓慰安婦合意については「被害者の意見集約を欠いた」として、合意に基づき創設され、日本政府が10億円を拠出した「和解・癒やし財団」を解散に追い込んだ。慰安婦問題では、韓国国会の文喜相議長が天皇陛下に謝罪を求める発言も行った。

 昨年末には、海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けた問題も生じた。これでは、文大統領の掲げる「未来志向の関係構築」からは程遠いと言わざるを得ない。

 一方、河野外相は会談で韓国による日本産食品禁輸措置の撤廃も要求した。韓国は11年の東京電力福島第1原発事故後、福島など8県産の水産物輸入を禁止している。康氏は日本敗訴とした世界貿易機関(WTO)の決定を尊重する必要性に言及し、「国民の健康と安全が最優先だ」との立場を強調した。

韓国は不信招く言動慎め

 しかし、日本の放射性物質検査は国際基準よりも厳しい。WTOの最終審に当たる上級委員会も、日本の水産物の安全性を認めた紛争処理小委員会(パネル、一審に相当)の判断は否定していない。日本産食品で国民の健康が脅かされるかのような康氏の発言は納得できない。韓国は日本の不信を招くような言動を慎むべきだ。