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与党の大勝に終わった今回の衆院選。しかし…


 与党の大勝に終わった今回の衆院選。しかし開票当日、カメラの前で花付けをする安倍晋三首相に笑顔はなかった。ほとんど間然するところがない翌日の会見でもそうだった。

 時折笑顔を見せることはあっても、心の底から笑っているようには見えない。来年秋の自民党総裁選での3選も見えてきたのにである。その厳しい表情から、何か屈託を抱えているのではないかとまで思ってしまう。

 会見では、記者から「森友・加計問題で説明責任が果たされたと考えるか」との質問があり、「謙虚」という言葉を何度も繰り返した。勝利に傲(おご)ることのないようにとの自戒からなのか。

 それもあるのだろうが、やはり、首相の頭の中を領しているのは、深刻化する北朝鮮の核・ミサイル問題だろう。北朝鮮が米本土に到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を近いうちに行うのではないかとも言われ、来月5日にはトランプ米大統領が来日し北朝鮮問題を協議する。

 この問題で大きな影響力を持つ中国の共産党大会も閉幕した。これから北朝鮮問題が大きく動いていく可能性が高い。もともと解散の決断も、年末から北朝鮮情勢が緊迫し、選挙どころではなくなることが理由の一つと首相自ら明かしている。

 北の核・ミサイル危機が、どのような形で解決されるのか。いずれにしても、時間はだんだんなくなってきている。安倍首相には、313議席を基礎に国難突破の本番に臨んでもらいたい。