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蓮舫代表辞任、民進党は雅量ある新執行部を


 東京都議選敗北の総括のため民進党は18日まで党内で意見聴取を行い、25日の両院議員懇談会で総括の了承を得る予定だったが、解党的出直しを求める意見が相次ぎ持ち越しになった。議論するほど党内の亀裂が露呈し、野田佳彦幹事長の辞任表明に続いて27日には蓮舫代表が辞任を発表した。党の再生は困難が予想される。

都議選前に離党者続出

 記者会見した蓮舫氏は「新しい代表で総選挙を」と辞任の理由を強調したが、判断したのは都議選総括の議論を受けてのことだと認めた。議論の過程では二重国籍問題の批判を浴び、昨年10月に日本国籍選択宣言をした戸籍謄本などを公表する記者会見まで開いた。与党側からの批判にはここまで応じなかったが、身内の党内からの批判の凄(すさ)まじさが窺(うかが)い知れる。

 野田幹事長への責任追及は、5議席に終わった都議選結果だけでなく、首相として2012年12月の総選挙を戦い、完敗して政権から転落したことにまでさかのぼって噴出した。蓮舫代表の昨年の野田幹事長抜擢(ばってき)には当初から同党内に不満があったが、旧民主党政権崩壊のトラウマが深く残っていることを示している。

 蓮舫氏が、今の民進党は自民党に代わる二大政党の一翼たり得ないことを「日本の不幸」と嘆いたのはもっともだ。今回も民進党は選挙で敗れる前に党内問題で敗れたと言い得よう。その最たる現象は離党者が都議選候補者に至るまで続出したことである。蓮舫・野田執行部は、結果的に党を運営し選挙を仕切る力量がなかったことになる。

 しかし、民進党が民主党時代を含め、最も反省しなければならないことは、選挙の勝敗よりも、政党としての信頼を損ねる党内対立や、離党者が続出するほど党内に異論のある決定を時の執行部が公約・理念に逆行して進めた殺伐とした党体質だ。

 与党時代には野田首相が党の公約にない消費税増税に踏み切った。財源確保の理由はあるが、野党だった自民・公明と手を握ったこともあって小沢一郎元代表らの大量離党を招き、総選挙前から敗北は明らかだった。

 野党になって同じ轍(てつ)を踏んだのが、支持団体である連合さえ制止しようとした共産党との票目当ての共闘だ。民主党―民進党は、政権交代を可能とする二大政党制を展望し、「反自民非共産」の枠組みで誕生した政治勢力だ。共産党は綱領で共産主義を目指し、その前段階として民主主義政体の中で統一戦線を拡大して、共産党を含む連合政権を構想している。

 ところが、共産党と一昨年に共闘し、「反自民親共産」の枠組みに変貌して以来、異論ある議員らの離党が都議選直前まで続いた。また、この枠組みは紛れもなく左翼路線で、主張の強い共産党の集票活動に追い風を送った現実を都議選の結果が示している。

 共産と一線画す代表を

 矛盾は正さなければならない。民進党は保守層からも理解される改革政党の原点に返り、雅量のある党運営に努め、共産党と一線を画した責任政党の姿を示し得る新たな代表を選んで出直すべきである。