世界日報 Web版

民進党結党、これで政権交代が可能か


 民主、維新両党が合流して「民進党」が結成された。結党大会では「政権交代可能な政治の実現」がうたわれた。岡田克也代表は「民進党でもう1回、国民に信頼され、日本の政治の本流を担える政党をつくっていく」と語っている。

 共産党と一線を画さず

 2009年に政権が交代し、民主党政権が誕生した。国民は「1度、民主党にやらせてみよう」と考えたが、3年3カ月後には「二度とやらせたくない」に変わり、民主党は下野した。その失敗の教訓が生かされているだろうか。

 第一に、民主党政権の最大の誤りはマニフェスト(政権公約)が非現実的だったことだ。国家の存立の基礎となる外交・安全保障政策を曖昧にし、在沖縄米軍の普天間飛行場の移設問題で「最低でも県外」と主張して日米同盟を揺るがした。

 また「コンクリートから人へ」をスローガンに子ども手当や農家の戸別所得補償、高速道路無料化といった「バラマキ施策」を掲げ、その財源として「埋蔵金」や歳出見直しなどで20兆円を捻出するとした。だが、その多くは絵空事に終わった。

 民進党はどうか。掲げた基本政策は相変わらず非現実的だ。綱領に「立憲主義の堅持」を掲げたが、これは安保関連法をめぐる安倍政権批判の延長線上のものにすぎない。結党大会では共産党色の強い学生団体のメンバーを来賓に招き、反安保関連法での連帯をアピールした。これが綱領のいう「現実的な外交・安全保障」とは思えない。

 第二に、政権運営の稚拙さだった。東日本大震災では緊急事態への対応を誤り、原発事故の収拾と復興事業を遅らせた。稚拙さは経験不足だけでなく、イデオロギー対立や労組主導の党体質からもたらされたものだ。

 その反省がほとんど見られない。昨年1月の民主党代表選では、岡田氏は日教組や自治労などの官公労を基盤とする左派勢力の協力を得て決選投票を制した。民進党はこうした勢力を丸ごと抱える。

 維新は元来、改革を標榜し官公労と対峙(たいじ)してきた。今回、衆参で26人が加わったが、民主党の左派は40人近くおり、埋没しかねない。綱領で掲げた「身を切る改革」の道筋は見えない。

 何より疑問なのは、共産党と一線を画していないことだ。共産党は、警察庁が「現在においても『暴力革命の方針』に変更はないものと認識している」(政府答弁書)とする破壊活動防止法に基づく調査対象団体だ。それにもかかわらず、民主党は共産党と選挙協力や安倍政権打倒、安保関連法廃止などで共闘を進めてきた。維新も同様だ。

 だが、立憲主義の最大の敵は議会制民主主義を否定する全体主義だ。ドイツでは基本法(憲法)で自由・民主主義を否定する政党や団体の活動を禁止し、ドイツ共産党(KPD)は解散させられた。票欲しさから共産党との共闘を続けるならば政権交代可能な政党とは言い難い。

 夫婦別姓実現政策は疑問

 また政策の中には選択的夫婦別姓の実現も盛り込んでいる。こうした疑問を解かない限り、国民は民進党に「もう1度」とは決してならないだろう。