世界日報 Web版

衆院選へ弾み期す自公 「政治とカネ」でお詫びも


《’21首都決戦(中)》

 都議会第1党への返り咲きを目指す自民。4年前、都民ファーストにその座を明け渡したが、今回は秋の衆院選に弾みを付けるためにも公明との連携を復活させ、党幹部や閣僚も繰り出し、第1党奪還、自公で過半数(64議席以上)に向け総力戦を繰り広げている。最大の争点のコロナ対策では、政権与党として推進してきたワクチン接種をアピールする。

演説に耳を傾ける有権者ら=6月27日、東京都目黒区

演説に耳を傾ける有権者ら=6月27日、東京都目黒区

 内閣官房長官の加藤勝信は26日、練馬区内での街頭演説で「コロナ対策の決め手はワクチン。菅総理は1日100万回を目指すと言ったが、それをはるかに超える水準になってきた」と強調、「一日も早く普段の生活に戻れるよう進むためにも、国と都、区が連携していかねばならない」と声を高めた。

 しかし、足枷(かせ)となっているのもコロナだ。特に都内での感染再拡大(リバウンド)を警戒。ある選対関係者は「今後、感染者数が1日1000人を超えたりすれば政権与党としての責任が問われ、票にも影響する」と懸念する。

 選挙運動の様相も変わった。感染防止のため小集会や個人演説会は中止せざるを得ない中、各候補者らはSNSでの演説のライブ配信などに力を入れるが、先の選対関係者は「情報提供をして時代に合った選挙をしているが、どこまで票に結び付くかは分からない」と不安を示す。「若い人の方がしっかりと政策を見ている。有権者も真剣に考えてくれているはずだ」と期待はするが、まだ手探り状態だ。

 もう一つの争点、五輪開催をめぐっても「(開催の必要性を)感情論で語られても共感できない」(目黒区の25歳女性)と厳しい声も根強い。また、政治とカネの問題も影を落とす。公職選挙法違反で東京簡裁から略式命令を受けた菅原一秀元経産相の地元・練馬区では、候補者が演説で「自民党を支援頂いた皆さんに大変ご迷惑をお掛けし、お詫びを申し上げたい」と頭を下げている。

 衆院選も見据え自民と連携する公明は、結党の契機になったのが都議選での躍進だっただけに過去7回連続の「全員当選」(今回は23議席)死守を目指すが、事前調査の厳しい結果に緊張感を募らせる。コロナ禍で支持母体の創価学会員の地方からの大量動員は見送られたが、地方の議員や支援者も応援に駆け付けている。

 連携を解消した都民ファの票の動きに加え、立憲民主と共産との共闘も警戒する。25日に目黒区で演説した代表の山口那津男は、「国政と都政の連携」を訴えワクチン接種における党の働きぶりをアピールする一方で、「接種が他国より3カ月ほど遅れたのは立憲民主や共産の意見を取り入れたから。遅いと批判するのは天に唾することだ」と、両党を強く批判した。(敬称略)

(都議選取材班)