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緊急事態条項、必要性を強調 改憲派集会で首相メッセージ


国民投票法改正に意欲

 新型コロナウイルス感染拡大で4都府県に緊急事態宣言が発出される中、現行憲法施行74周年を迎えた3日、改憲派と護憲派は共に昨年に続き大規模集会は行わず、インターネットなどを利用して工夫を凝らしてアピールを行った。

改憲派集会で披露された菅義偉首相のビデオメッセージ=3日午後、東京都千代田区(森啓造撮影)

改憲派集会で披露された菅義偉首相のビデオメッセージ=3日午後、東京都千代田区(森啓造撮影)

 改憲派の民間憲法臨調(代表=櫻井よしこ)などは「第23回公開憲法フォーラム」を都内で開き、昨年に続き動画投稿サイト「ユーチューブ」などで生配信し、約2万8千人(主催者発表)が視聴した。

 菅義偉首相が自民党総裁としてビデオメッセージを寄せ、新型コロナへの対応を受けて緊急事態への備えに関心が高まっていると指摘しながら、「緊急時に国民の命と安全を守るため、国家や国民がどのような役割を果たしていくべきか、そのことを(憲法に)どのように位置付けるかは極めて重く大切な課題だ」と述べ、緊急事態条項の必要性を強調した。

 改憲手続きを定めた国民投票法改正案については、「憲法改正に関する議論を進める最初の一歩として、まずは成立を目指していかなければならない」と表明。その上で建設的な議論を重ね、国民の理解を深めるのは「国会議員の責任」だと強調した。

 主催者を代表してジャーナリストの櫻井よしこ氏が基調講演し、先月行われた菅首相とバイデン米大統領との首脳会談で、「台湾海峡の平和と安定」が言及されたことについて「非常に大きな一歩を菅首相は踏み出した」と評価。その上で「今問われているのは、いかにして日本国の首相が、海外で約束したことを実行に移すか」だとし、「憲法改正を成し遂げることなしには、菅首相のお約束は空証文に終わりかねない」と述べた。

 日本医科大学の松本尚教授は、コロナ対応の経験を踏まえ「臨時病院の建設運営にも数多くの法律的障壁があった」とし、「有事に迅速に対応するには、憲法で非常時の対応を定めておくべきだ」と主張した。

 自民党の下村博文・政務調査会長は「何かが起きた後で法律を作るのでは間に合わない」とし「平時と有事両方に対応できる体制づくりが必要だ」と述べた。

 日本維新の会の足立康史・幹事長代理は、「世論をリードすべき憲法審議会で、論議自体を拒否する意見が散見される」と指摘し、「国民投票法改正案を直ちに採決し、速やかに可決すべきだ」と強調した。

 国民民主党の山尾志桜里・憲法調査会長は、憲法9条に触れ「日本の自衛権は、国民の生命・安全のために必要不可欠だ」とし、「9条に自衛権を位置付けて、戦力であることを認めた上で国民の意思で枠付けしていこう」と訴えた。

 このほか河野克俊・前統合幕僚長や、百地章・国士舘大学特任教授などが出席し、沖縄県の中山義隆・石垣市長がビデオメッセージを寄せた。