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野党再編 選挙目当てでは支持得られぬ


 国民民主党が立憲民主党との合流を決定し、2017年に分裂した民進党以来となる150人規模の野党が誕生する見通しとなった。

 しかし、両党には憲法や消費税、原発などの問題で大きな隔たりがある。理念や政策を一致させずに合流するのでは、選挙目当ての野合と批判されても仕方がない。

離合集散を繰り返す

 今回の合流には、年内の衆院解散もあり得ることを想定し、自民党政権に代わる「受け皿」を作る狙いがあろう。政党支持率の低迷や、7月の東京都知事選で野党がまとまれず現職に惨敗したことが、立憲の枝野幸男代表の焦りにつながった面も否定できない。だが、たとえ受け皿ができても理念や政策がばらばらでは有権者の支持は得られまい。

 立憲、国民両党とも旧民主党の流れをくんでいる。消費税増税をめぐって離党者が続出した旧民主党政権末期から約8年、野党の歩みは離合集散を繰り返した負の歴史でもある。

 この間、安倍政権には長期政権の緩みも見られたが、野党に対する期待が高まることはなかった。旧民主党政権時代に辺野古移設問題などで迷走を繰り返したことが、多くの国民の記憶に残っているからだ。

 信頼を回復するには、日本の針路や国の在り方について党内で真摯(しんし)に議論し、地道に政権担当能力を磨いていくことが欠かせない。政権批判に終始し、数合わせに走るようでは、万年野党で終わるだろう。

 合流新党の規模は、国民の衆参62議員の過半数、立憲89人、野田佳彦前首相と岡田克也元外相がそれぞれ率いる無所属グループの計20人ほどを合わせ、150人前後になるという。しかし、枝野氏が旗印とする「立憲主義」に内心で同調していない国民の保守系議員もいる。国民の産別労組出身議員の間には、合流新党が綱領に「原発ゼロ」を明記したことなどから慎重論が残る。こうした状況で選挙に臨んでもどれだけ票を集められるのか。

 国民の玉木雄一郎代表は、理念、政策の不一致を理由に合流に参加せず、国民の組織を継承する新党結成を表明している。これとは別に「第3の新党」を模索する動きも出るなど、混迷の様相を呈している。

 一方、国民の前原誠司元外相は「共産党と選挙協力する政党には合流できない」とし、不参加の意向を示した。共産党は綱領で日米安保条約の廃棄や自衛隊解消を唱えている。合流新党が次期衆院選に向けて共産党との連携を強めるのであれば、政権を担う資格はないと言わざるを得ない。

骨太の議論から始めよ

 現在の日本は、中国、北朝鮮の脅威の高まりや少子高齢化などの国難に直面している。多くの国民は、合流新党がこのような問題にどのように対処するかを聞きたいのではないか。

 憲法改正についても、立憲は安倍政権が主導することに反発し、国会の憲法審査会での論議は停滞している。現行憲法で日本が抱える課題を克服できるのか。こうした骨太の議論から始めるべきだ。