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COP25閉幕 正念場迎えた日本の環境政策


 スペインで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は、各国に温室効果ガス削減目標の引き上げを促し、地球温暖化克服の足取りをさらに強めることを求めて閉幕した。

 日本はさらなる脱化石燃料を要請されるとともに、優れた水の浄化技術などで、アフリカなど途上国の二酸化炭素(CO2)排出抑制や水質浄化への貢献を大いに期待されている。

 原子力利用の道筋を

 2020年からパリ協定が始まるにもかかわらず、同会議では運用ルールの完全合意は先送りになった。

 従来、同様の会議でも、既に工業化を果たした国々と途上国との対立が、環境対策の推進を妨げる要因として横たわっていた。今回もこうした構図は解消されず、特に欧州連合(EU)と、ブラジルやインドとの対立は解けなかった。

 地球環境問題は「地球益」という考え方を用いることでしか解決できないが、現実的には政治問題でもある。CO2の排出が多い米国、中国、ロシアなどの大国が進んで取り組む必要がある。今回もこうした気配がなかったのは非常に遺憾だ。各国がそれぞれの役割を自覚し、責任を果たしていかなければならない。

 わが国は温室ガスの排出量を30年度に13年度比で26%削減する公約の達成が求められる。しかし東京電力福島第1原発の事故後、CO2の排出がない原子力発電の割合が当時の約3割から3%に落ち込んでいる。それをカバーするために、石炭火力の比重が増している。

 原発の比率をいかに引き上げていくか。国は30年度の電源構成について、原子力の比率を20~22%にし、火力を約56%に引き下げることを目指している。その道筋を明確にすることが目標達成には不可欠だ。

 期待される再生エネルギーの開発利用は、発電量が天候に左右され、安定供給の面で不安がある。エネルギー施策の正念場が続きそうだ。

 一方、温暖化は、近年日本も大きな被害を受けている台風や豪雨などが頻発する原因とされる。このほか、太平洋の島々に水没の危険をもたらす海面上昇、アフリカや東アジアの旱魃(かんばつ)、水不足、北極海の氷の溶解などを引き起こし地球環境への負荷を高めている。

 どれも対策が急務だが、わが国には特に水質浄化技術に優秀なものが多い。旱魃、水質汚染で悩むアフリカや東アジアの途上国に大きな恩恵を与えることができる。

 また火力発電で排出されるCO2の削減技術を輸出し、石炭火力発電という選択肢を取らざるを得ないアフリカの国々を助けることができる。

 自然との共生が必要

 地球環境問題の解決には、最終的に大量消費社会を克服し、人々のライフスタイルを改善するところまでいかなければならない。

 わが国は1億2000万の人口を擁する中、国土の70%が山林で、人間と自然の共生が成り立っている。来日する海外の人たちに伝統的な共生のあり方をアピールしたい。