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原発処理水の海洋放出「先送りできない課題」


首相 福島第1原発を初視察

浪江町東日本大震災慰霊碑前で黙とうする岸田文雄首相(右から2人目)。同4人目は西銘恒三郎復興相=17日午前、福島県浪江町(代表撮影)

 岸田文雄首相は17日、就任後初めて東京電力福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)を視察し、廃炉作業の状況などについて東電から説明を受けた。首相は視察後、政府が決定した放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出に関し、「先送りできない課題だと痛感した。安全性について透明性を持って説明していく」と記者団に語った。

 政府は2023年春ごろをめどに処理水を海洋放出する方針だが、地元では風評被害を懸念する声が根強い。首相は「懸念払拭(ふっしょく)に全力で取り組む。地元の理解を得るよう努力を続けていきたい」と述べ、風評被害対策などに全力を挙げる方針を強調。福島の除染作業を進め、放射性廃棄物の県外最終処分に取り組む意向も示した。

 同原発を視察した際、首相は東電職員に対し「廃炉は復興の前提だ。地元の信頼関係を大事に、しっかり作業を進めてほしい」と求めた。

 首相は同県浪江町にある東日本大震災慰霊碑で献花したほか、双葉町の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)内外を訪問。大熊町のイチゴ栽培工場では生産されたイチゴを試食した。富岡町では帰還した住民らとの車座対話に臨み、復興への政府の取り組みを説明した。

 16日には岩手、宮城両県の被災地を回った。
(時事)