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「DJポリス」全国に、警視庁に指導依頼殺到


ソフトな警備・誘導を学ぶ

「DJポリス」全国に、警視庁に指導依頼殺到

鳥取県警で行われた研修で、警備広報の模範を見せる警視庁の「DJポリス」(左)(警視庁提供)

 サッカーワールドカップ出場決定に沸く東京・渋谷の熱狂を柔軟な話術でさばき、流行語大賞にもノミネートされた「DJポリス」。その技術を取り入れようと、全国の警察から警視庁に指導依頼が相次いでいる。指導を受けた「卵」たちは、初詣などの雑踏警備でデビューする見込みだ。

 警視庁によると、現場の状況に応じた臨機応変な警備広報は1964年の東京五輪警備で、より分かりやすい案内方法を検討する中で生まれたという。同庁は66年に全国で唯一の技量検定制度を導入。検定は祭りなどの警備現場の映像に即興で合わせる方式で「子供や高齢者に気付き、適切な指示ができるか」や「天候や状況に応じた内容か」などが評価のポイント。担当者の競技会も開き、技を受け継いできた。

 DJポリスが話題になった6月以降、全国から指導依頼が相次ぎ、これまでに愛知や鳥取、佐賀各県など5県警で6回研修会を開催。来年も依頼で各地に出向く予定だ。

 指導を担当する警視庁警備部の近藤智和管理官は「原稿の棒読みでは聞いてもらえない。寒い中並ぶ人の気持ちに共感し、待ち時間の見通しなど欲しい情報を盛り込むといった工夫をするから伝わる」と強調。近藤管理官らも試行錯誤の中から「慌てなくても神様は逃げません」(初詣)、「隅田川の流れのようにゆっくり前に」(花火大会)などのユーモラスな誘導を考え出したという。

 県警には厳しい口調で紋切り型の誘導をしていたところもあり、「目からうろこが落ちた」との反応も。研修ではアドリブにつまる警察官もいるが「まず状況を的確に表現し、事故防止に必要な情報を伝えることが第一。その上で、地域の話題などに触れれば聞いてもらいやすい」と助言しているという。

 近藤管理官は「技術が広まり、多くの人が良い気持ちで新年を迎えてくれれば」と話している。