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サッチャー元英首相の在任中の逸話衰えず


緊迫する時代背景や、質実剛健の性格がうかがえる

サッチャー元英首相の在任中の逸話衰えず

サッチャー元英首相=1986年5月、エルサレム(AFP=時事)

 死去から3年がたつサッチャー元英首相だが、昨年末にロンドンで大々的に所持品の競売が行われ、在任中の逸話が回顧されている。在任した1979~90年は冷戦最後の10年。緊迫する時代背景や、質実剛健を重んじた性格がうかがえる。

 AFP通信によると、サッチャー首相の秘書だったチャールズ・パウエル氏は競売商の目録に思い出を寄せ、84年2月にモスクワで行われたアンドロポフ旧ソ連書記長の葬儀を回想した。あまりの寒さにサッチャー氏はモスクワ到着後、毛皮のコートとブーツを借用、クレムリン入りした。

 その際「続く警備員の胸元が膨らんでいた」とパウエル氏。「『武器を持ち込んだ』とソ連側に緊張が走ったが、胸元からおもむろに警備員が取り出したのはハイヒール。サッチャー首相はブーツを脱いで、さっさと履き替えた」。外交政策を担当したパウエル氏は、弟のジョナサン氏も90年代から長くブレア元首相の顧問を務め、兄弟で保守党・労働党両政権を支えた。

 サッチャー氏が当選を重ねたロンドンのフィンチリー選挙区を守ってきた個人秘書シンシア・クロフォード氏も「着られなくなった服のボタンは次の服に付け替え、使い回していた。ボタン一つでも無駄にしなかった」と証言している。有名なハンドバッグも「中はコンパクト、口紅、くし、手帳とペンだった」と回想、簡素だったという。(時事)