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40歳の旭天鵬が引退、深い懐、穏やかな心


幕内在位99場所、出場1470回、基本欠かさず体力維持

40歳の旭天鵬が引退、深い懐、穏やかな心

引退記者会見後、贈られた花束を手に笑顔の旭天鵬=27日、名古屋市中村区の友綱部屋宿舎

 モンゴル出身力士のパイオニア、旭天鵬が40歳で現役を引退した。2012年夏場所では、史上最年長の37歳8カ月で幕内初優勝。幕内出場も歴代1位の1470回を記録するなど、24年に及ぶ土俵人生は金字塔で輝いた。

 後に小結となった旭鷲山らと来日し、1992年春に初土俵を踏んだ。相撲部屋の厳しい生活になじめずに逃げ出したこともあったが再起。多彩な取り口から「技のデパート、モンゴル支店」と評された旭鷲山の後を追うように出世した。長身で懐の深さを生かした四つ相撲で力を発揮した。

 最大の転機は、入門時の師匠だった大島親方(元大関旭国)の定年退職だろう。引退して部屋を継承するか迷ったが、「まだ諦め切れない」と現役続行を決意。賜杯は、友綱部屋に移籍した直後の場所で手にした。

 その後は、勝ち星や出場記録の歴代順位を上げることが励みになった。「いまさら横綱、大関になるわけではないし、何か目標がないと」。自身を鼓舞し、四股やすり足などの基本を欠かさず体力を維持。「自分もそうだし、誰もこの年齢までやれるとは思っていなかったはず」

 穏やかな性格で語り口はユーモアにあふれ、誰からも慕われた。朝青龍、白鵬をはじめとするモンゴル勢の隆盛は、心優しい努力家の先輩が道を開いたおかげだった。